外国語表示ラベルで工夫、味わいの多様化に注力
一方で、東京オリンピックで日本への注目が高まったものの、日本への渡航が困難な現状では、アジア圏を中心に日本の居酒屋をまねた日本食レストランが人気なのだという。
もちろん海外では、まだまだ日本酒の知名度は低い。日本食レストラン以外でも日本酒を提供してもらわなくては、販路拡大は難しい。そこで日本の酒造メーカーは、海外の消費者にわりやすい外国語表示のラベルや味わいの多様化に取り組んでいる。
近年は海外でも日本酒の冷蔵輸送が進み、大吟醸や吟醸、純米酒などが品質を保持した状態で流通可能になったことも消費拡大に貢献している。
「これまで『熱燗』一辺倒だった日本酒のイメージが刷新され、冷酒をワイングラスで飲むなど、さまざまなタイプの日本酒があることが海外でも認知され始めている」(日本酒造組合中央会)
海外では日本酒がオーガニック商品であることも魅力のひとつで、これをアピールする酒蔵もある。果たして、 今年も日本酒は海外で過去最高を更新できるか。(ジャーナリスト 白井俊郎)