やっぱり「3%賃上げ」は無理? 調査で判明...企業のホンネは「2%」、なかには「50%賃上げ」回答も

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   「3%の攻防戦」と言われる今年に賃上げ春闘だが、やはりキビシーという調査がまとまった。

   東京商工リサーチが2022年2月21日、賃上げに対する企業側の動向を聞いた「2022年度『賃上げに関するアンケート』 『賃上げ率』3%未満が7割超に、『実施率』改善は1.3ポイントにとどまる」という調査を発表したのだ。

   「3%」どころか、賃上げを行う予定の企業でも「2%」前後という哀しい結果になりそうだが、インターネット上ではとっくあきらめムードが漂っている。

  • 「よっしゃー、給料大幅アップよ!」といきたいが…(写真はイメージ)
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賃上げ実施率、コロナ前から10ポイント下落

   調査結果をみると、2022年度に賃上げ実施を予定する企業は71.6%だった。前年度(2021年度)の70.3%から1.3ポイント上昇し、2年連続で増加した。しかし、コロナ前の実施率80%台の水準には届かなかった=図表1参照

(図表1)賃上げを実施する企業の推移(東京商工リサーチ作成)
(図表1)賃上げを実施する企業の推移(東京商工リサーチ作成)

   コロナ前は安倍晋三政権下の「官製春闘」や人手不足などの影響で、企業の賃上げ実施率は80%台の高水準に達していた。だが、現在は回復基調にはあるものの、長引くコロナ禍が影響して、賃上げの実施率はコロナ前から約10ポイント落ち込んだ状態が続いている。

   規模別では、「実施する」は大企業77.2%、中小企業70.8%だ。その差は、前年度の7.4ポイント差から6.4ポイント差に1ポイント縮まった。これは中小企業の賃上げ実施率が、前年度の64.8%から6.0ポイント改善したことが要因だ。

   産業別にみると、近年の好調な業界と不調な業界の差がはっきり出たかたちだ。「実施する」と答えた割合が最も高かったのは、製造業の78.8%。次いで、卸売業74.7%、建設業73.2%、情報通信業69.4%の順。最も低かったのは金融・保険業の45.3%だった。

   とくに運輸業は、最近の原油価格の高騰のあおりを受け、経営体力のある大企業を中小企業の差がはっきり出た。大企業の「実施する」が82.2%(45社中37社)に対し、中小企業は60.8%(230社中140社)で、規模格差は前年度の16.4ポイントから21.4ポイントに広がった。燃料代の高騰に加え、人手不足も深刻さを増すなかで、格差が広がっているようだ。

   さて、具体的な賃上げの内容はどうだろうか。

   「賃上げを実施する」と回答した企業に、具体的にその内容を聞くと(複数回答)、最多は、「定期昇給」の81.8%だった。以下、「ベースアップ」32.1%、「賞与(一時金)の増額」28.1%と続く=図表2参照

(図表2)賃上げの具体的な内容(東京商工リサーチ作成)
(図表2)賃上げの具体的な内容(東京商工リサーチ作成)
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