2022年、今年の干支にちなんで寅年生まれの3人がそろって、投資動向を予測する「トラ!トラ!トラ座談会」。後半戦は、2022年の投資環境を占いながら、投資目標や新たに挑戦してみたい投資商品などの話で盛り上がった。
「寅は千里を走る!」の投資格言のように、2022年を前向きに突っ走り、ちょっと気が早いが来年の「卯、跳ねる!」に向かってジャンプアップしたい。
父娘ともにラッキーな「五黄の寅」の綾香さん、今春に新社会人となる慶応義塾大学5年生の馬俊飛(ま・しゅんひ)さんに、ジェイ・キャストの寅年生まれ、髙橋べんが聞いた。
綾香さん「投資初心者にはアクティブファンドがオススメ」!
髙橋「前回<2022年、盛り上がるのはエネルギー! どんどん上がる不動産!? 突っ走るぜ トラ!トラ!トラ!座談会の大胆予想(前編)>からの続きとなりますが、きょう進行役を務めさせていただきます、髙橋です。紅一点の綾香さんは、おつりや各種ポイントを使って積立投資ができるアプリ(長期分散投資アプリ)『トラノコ』のユーザーというご縁でお越しいただきました。そして、慶応義塾大学5年生の馬さんは、高校時代から投資に興味を持っていた切れ者です。今回はまず、そんなお二人がこれからやってみたい投資について聞きました」
綾香さん「今年はFXとCFD(差金取引)と365(株価指数証拠金取引の「くりっく株365」)をやってみたいと思っています。あとは不動産もどんどん買い増ししていく予定です」
馬さん「そうですね。投資信託をやってみたいと思いますが、手数料が高いのが気になるところです」
綾香さん「私も投資信託はやっていますが、『アクティブ投資(ファンド)』は手数料が高いですね。それと、『ETF(上場投資信託)』もやってみたいとは思います。S&P(「S&P500指数」との連動をめざすインデックスファンド)やヴァンガード(「楽天・バンガード・ファンド」は楽天投信投資顧問のインデックスファンド)、INDEX(日経平均株価や東証株価指数TOPIXなどの市場の動きに連動する投資信託)などのオーソドックスな投資信託はすでにやっていますが、200年上がり続けているといわれ、無難で楽で、置いておけば増えるので、投資初心者の方には最初に買っておくことをオススメします」
髙橋「そうですね。投資信託は手数料がちょっと、ね。でも、最近はノーロード(手数料がかからない投資信託)もありますよね。ハイリターンとはいかないですが。
ところで、投資をやっててよかったと思ったことは、どんなときですか?」
綾香さん「ふだんからレポートを見て、投資が増えた減ったが確認できることでしょうか。預金口座はなかなか増やせないですが、証券口座は増やすことができるので、それはうれしいですね。
不動産は家賃が変わったりして、それは楽しくもあり、つらいところでもあります。市況とかを分析して予測しても、結局は外れてしまうのだけど、それも自分の自己責任なので、逆にそれが楽しいのかなと思います」
馬さん「投資に興味がある人たちと意見交換して、いろんな情報を得るのは楽しいと思います」
髙橋「友だちとかとどんな話をしているの?」
馬さん「企業の情報開示を見て興味を持つ友だちが多いので、その企業の話をしたり、短期投資の目線だけでなく、長期投資の目線でその企業の強みをメールやLINEでやり取りしたりしています」
綾香さん「投資をやっている人はビジネスをやっていることが多いので、ビジネスの話が多いですよね。銘柄や情報サイト、アプリの話もありますけど、ビジネスの話から投資の話へという流れかな。投資を通じてビジネスでの繋がりを感じますね」
注目は米利上げ、「日本はあまり見ていないです」
【 2022年の主なスケジュール 】
2月 4日 北京冬季オリンピック開幕(20日まで)
3月 4日 北京冬季パラリンピック開幕(13日まで)
3月11日 東日本大震災、東京電力福島第1原子力発電所事故から11年
3月11日 世界保健機関(WHO)の新型コロナウイルスパンデミック宣言から2年
4月 1日 成人年齢を20歳から18歳に引き下げ
4月 4日 東京証券取引所がプライム/スタンダード/グロースの3市場区分に移行
5月15日 沖縄の本土復帰から50年
5月28日 経団連(経済団体連合会)と日経連(日本経営者団体連盟)が統合した「日本経済団体連合会」の発足から20年
7月 参院選
9月29日 日中国交正常化から50年
10月(秋) 中国共産党全国代表大会(5年に一度)
11月8日 米大統領選の中間選挙
11月21日 サッカーワールドカップ カタール大会開幕(12月18日まで)
髙橋「2022年には、現在開催中の北京冬季五輪・パラリンピックや夏の参院選、ウクライナ問題などの地政学リスクや、それらを含む世界情勢......。いろいろとありますが、今年のイベントで注目していることはありますか?」
馬さん「アメリカの利上げ幅は注目ですね。参院選は維新の会が強そうだけど、基本的に日本が動いて世界が動くことは、今年に限らず、しばらくなさそうなので、世界の動きに注目しています」
綾香さん「私もそう思います。日本は見ていないです。北京冬季オリンピックは注目していますよ。でも、やはりアメリカの利上げがどんどん進んでいくのが気になります。3、4回ぐらいあるんじゃないかって言われているので、これはかなり気になります。それによって、相場が大きく揺れると思うので」
【2022年に注目すべき投資のポイントを探れ!】
◆インフレ動向とFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ
注目は、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ時期と利上げ回数。インフレ上昇を抑制するため、6月以降2~3回の利上げがあるというのが、マーケットの見方になっている。テーパリング(量的緩和の縮小)が3月に終了する見通しのため、そのときに利上げされるかもしれない。
◆新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の影響
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」は、感染力が強い半面、重症化率が低いとされる。しかし、感染者が急増してまん延防止等重点措置や勢い、緊急事態宣言の発動ともなると、再び経済が停滞することが予想される。
◆米大統領選の中間選挙
秋、11月8日に米大統領の中間選挙がある。バイデン大統領の支持率が思わしくないなか、トランプ前米大統領が勢いを盛り返している。夏以降、米国の政局の不安定要因は株式相場にはマイナス材料。中間選挙で民主党が敗れれば、米国経済は失速する可能性もある。
◆中国の動向
北京冬季五輪・パラリンピックが開催されている中国。厳しいコロナ対策による行動規制の強化で、中国経済は長期の停滞を余儀なくされる可能性がある。一方、所得格差の拡大による国民の不満が高まっており、2021年には習近平主席が「共同富裕」社会実現を掲げて、IT企業への締め付けや不動産融資の規制強化に乗り出したことで経済活動は停滞しつつある。秋、5年に一度の中国共産党全国代表大会が控えており、政治的な動きには要注目。
◆原油価格の上昇
2021年来、原油価格が急上昇している。コロナ禍で押さえ込まれていた経済活動の急激な需要回復が背景にあるとされる。原油価格の上昇はそのまま、モノの値段に跳ね返り、インフレの上昇圧力が高まる可能性がある。中東の地政学リスクがくすぶり続けていることも懸念材料だ。
◆ウクライナ、台湾海峡...... 高まる地政学リスク
ロシアとNATO(北大西洋条約機構)諸国をめぐるウクライナ情勢から、目が離せない。また、中国の海洋進出にともなう台湾海峡問題のゆくえや中東情勢も気になるところ。2022年は、昨年よりも地政学リスクは間違いなく高まる。世界経済の回復の勢いが鈍化する懸念がある。
米国株をガシガシやっていく!
髙橋「2022年、寅年の目標を教えてください」
馬さん「投資信託と不動産投資を来年までに始めたいと思います。そのために、仕事を頑張ります」
髙橋「春から、新社会人ですもんね。頑張ってくださいね。綾香さんは?」
綾香さん「日本では2倍と言わずテンバガー(10倍になる株)になる株を発掘する。アメリカの個別株をガシガシやっていく。FXにも挑戦する。その投資の利益は、1年間で1000万円を目指します。もちろん、純利益で!」
髙橋「ボクは、まずは損失を減らすことかな。購入単価を下げていきたいですね。下がったところで買い増していって損益分岐点を下げたいです。みなさんと違って後ろ向きですけど......。それにしても、純利益で1000万円ですか! スゴイですね」
馬さん、綾香さん、ありがとうございました。楽しかったです。年男年女の3人でトラトラトラ! 勢いをつけて良い1年にしましょうね。(おわり)
(牛田 肇)
▼前編は、こちらからも読めます。
2022年、盛り上がるのはエネルギー! どんどん上がる不動産!? 突っ走るぜ トラ!トラ!トラ!座談会の大胆予想(前編)
https://www.j-cast.com/kaisha/2022/02/21431067.html