シニア男性の再就職「出身大学の難易度」で決まる?驚きの調査...女性研究者に聞いた「プライド捨てましょう!」(1)

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「オジサン」と十把一からげにしてはいけない

   J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部では、こうした数々の疑問点を、調査をまとめた日本総合研究所研究員の小島明子さんに聞いた。

――中高年男性の仕事観や生活実態を、出身大学の難易度から分析するという切り口が非常にユニークです。この発想はどこから得たのですか。

小島明子さん「今、シニア男性は若い人から『妖精さん』と揶揄されています。きっちり出社するけれど、いつの間にか席を離れ、気がつくと会社からいなくなってしまう。姿が見えないから『妖精』というわけです。働いていないように見える中高年男性の代名詞になりました。
実は、企業もシニア男性には困っています。バブル時代の採用で大人数だから役職についていない人が多い。しかも『70歳まで会社にいたい』という。年下の上司には使いづらい方々です。この世代の生産性を上げ、働くモチベーションを高めるにはどうしたらよいのか。人事は真剣に悩んでいます。
とくに、高学歴の中高年の活性化がカギになります。ただ、『妖精さん』とか『オジサン』と十把一からげにはできません。シニア男性は多様性に富んでいるのです。出身大学の難易度の違いによっても意識に差があり、彼らへの理解を深めるために分析方法の1つとして使いました」

   どうして出身大学の難易度の差によって、再就職の際のミスマッチが多いなどの課題があるのだろうか――。このあとも引き続き、調査をまとめた小島明子さんに話を聞いていく。<シニア男性の再就職「出身大学の難易度」で決まる?驚きの調査...女性研究者に聞いた「プライド捨てましょう!」(2)>に続きます。

(福田和郎)


【プロフィール】
小島明子(こじま・あきこ)

日本総合研究所創発戦略センター・スペシャリスト
経済社会システム総合研究所客員主任研究員

環境・社会・ガバナンス(ESG)の観点から企業を評価するかたわら、企業向けにESGの取り組みや、女性活躍と働き方改革推進状況の診断も行っている。また、中高年男性や女性、氷河期人材の働き方などに関する調査研究にも従事している。
著書に『女性発の働き方改革で男性も変わる、企業も変わる』(経営書院)、『「わたし」のための金融リテラシー』(共著、金融財政事情研究会)など。2022年3月2日出版予定の近著に『中高年男性の働き方の未来』(金融財政事情研究会)。

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