「仕事」も「私生活」も満足度が高い高偏差値の人
さらに、難易度が高くなるほど、「健康偏差値」が高くなることも明らかになった。高学歴な男性ほど、野菜や海藻類・きのこ類を多く食べる。毎日2回以上これらを食べる人の割合は、難易度が最も高い人は低い人の1.6倍だ(図表3参照)。また、運動・スポーツにも熱心で、BMI(体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数)の基準でみると、肥満の人の割合は、難易度が最も高い人は低い人の0.8倍だ(図表4参照)。
また、この人たちは公私ともに「幸せ」であることもわかった。たとえば「職業生活」の満足度を聞くと、「強くそう思う」と答えた人の割合は、難易度が最も高い人は低い人の1.5倍。「私生活」の満足度を聞くと、「強くそう思う」と「そう思う」を合わせて答えた人の割合は、難易度が最も高い人は低い人の1.5倍だった。出身大学の難易度がなぜ数十年後の「幸せ」にまで影響を与えるのだろうか(図表5、6参照)。このあと、調査をまとめた小島さんに聞いてみたいと思う。
さらに興味深いことに、これは大学難易度とは関係ないが、会社内でも役職の上位にいるか、下位にいるかが、「健康」と「幸せ」に影響を与えていることもわかった。たとえば、ストレスを感じる度合いを聞くと、「まったくない」と答えた人の割合は社長や重役クラスでは33.2%もいるのに、係長・主任クラスでは17.8%しかいない。役職が高い人ほど「ストレス」が少ないのだ(図表7参照)。
また、睡眠状況をみても、「睡眠をとれている」と答えた人の割合は社長や重役クラスでは42.9%もいるのに、係長・主任クラスでは29.2%しかいない。役職が高い人ほどたっぷり「いい睡眠」をとっているわけだ(図表8参照)。
かつて、植木等が「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」と歌って、ヒラほど楽だったのは昔話になったのだろうか。