馬さん「この5年で一番良かったんじゃないかな」
髙橋「この2年ほど、コロナ禍で株式市場は大きく揺れていましたが、昨年(2021年)の成績はいかがでしたか? コロナ禍を、どのように乗り越えようとしてきましたか?」
綾香さん「昨年の成績はなんとも......。勝ったとも負けたとも言えないですかね。でも、順調ではありました。私の投資スタイルの基本は長期なんですね。なので、短期投資をしてこなかったので、相場の影響は少なかったと思います。短期トレーダーのように売ったり買ったりしているわけでないので、勝った負けたという意識もそんなにないんですよ。
長期投資では、インデックスが2020年2月頃から、年7%から11%ぐらいで順調に増えています」
馬さん「私は大学1年から(株式投資を)始めて5シーズン目になります。その中では、この1年が一番良かったんじゃないかな。コロナ禍で株価が落ちた時に買った銘柄があって、これまで落ちたり戻ったりしていましたが、この1年でその揺り戻しがあって、それが大きかったと思います」
髙橋「コロナ禍で株価が下がった時に、うまくすくえたわけですね。株式投資に限らずそういう何か、投資の勘どころみたいなものってあるのでしょうか?」
馬さん「コロナ禍でいうと、新型コロナウイルスを、最初は中国の季節的な風邪かと楽観的に見ていましたが、そのあと急に広がって銀行株が一気に下がりました。その時に、『2、3年ぐらいしたら戻るかな』と、そんな気がしたのを覚えています。そのタイミングで買ってみたという感じです」
綾香さん「半分は勘で、半分がファンダメンタルズを分析しています。実際には、買わなかった銘柄はたくさんありましたが、買っておけばよかったと思うものもありましたし、見送ってよかったと思う銘柄もあります。割合でいうと、6対4ぐらいの割合で購入している感じでしょうか」
髙橋「投資のための情報が溢れているなか、情報を取捨選択する基準をもっていますか。あるいは欠かさずチェックしている情報はありますか?」
綾香さん「明確な基準はないですけど、ふだんはYouTubeで株だったり、経済情報のチャンネルだったりを視聴しているのと、投資アプリで情報を集めています。
投資をする基準っていうのは、多分、『自分で判断するしかない』っていうところでしょうか。情報集めたうえで、ここだったらイケるっていうのを、なんかその経験値から全部集めて、狙ってるって感じですかね。あとは専門にしている人が周りにいるので、聞いたりして情報を集めています」
髙橋「YouTubeで情報を集めているんですね。やっぱり若い世代の投資家っていう感じです」
綾香さん「そうですね。私はYouTubeなんですね。楽天証券などの証券会社のサイトも情報集めにもってこいです。あとは世界の株サイトやアプリも活用しています」
髙橋「ボクは、やっぱり新聞かな。一覧性があるのでいろいろと連想できますから。『なるほど。これとあれが、こんなところで繋がってるんだ』とか、『ああ、こんなに儲かっちゃう』とか。勝手に妄想(笑)しやすいんですよ」
馬さん「私は、情報でいうと一番見ているのは、開示情報ですね。会社ごとに発表があって、全部は見切れないのですが、アクションを起こしている会社から聞いていこうみたいなのが基本的な考え方なのかな。そこでちょっと興味があるというか、面白い開示している会社だったら、関心を持ったりします。
証券会社からの情報というのは、なんかちょっと偏見ですけど、息がかかっている感じがします。投資では、『この会社儲かりそうだな』って感じたところを投資したほうがいいっていうのが今のところの基準です」
髙橋「決算短信、貸借対照表(BS=バランスシート)や損益計算書(PL=プロフィット アンド ロス・ステイトメント)などの財務資料も、しっかりチェックするのですか?」
馬さん「BS/PLはあまりきちんとは見ていません。どちらかというと会社の事業内容というか会社の特徴、強みのほうが気になります。公開情報だけでわかる情報は、そう多くはないのですが、投資はそこが一番大事かな」