脳科学、心理学、医学最先端研究から導き出した「自己管理法」...自分を思い通りに動かす!【尾藤克之のオススメ】

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   予定通りいかないのは、あなたの意志の問題ではありません。「自分を思い通りに動かすためのちょっとしたコツ=セルフコントロール法」を知らないだけなのです。脳のクセを利用したセルフコントロールで自分を思い通りに動かすための方法を理解しましょう。

「科学的に自分を思い通りに動かす セルフコントロール大全」(堀田秀吾 著, 木島豪 著)ディスカヴァー・トゥエンティワン
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始業開始時刻になってもやる気がでない理由

   朝9時の始業時刻になってもどうにも気合いが入らない――。こんな人が増えています。自宅で仕事をしているテレワーカーは、始業時間になってもエンジンがかからない人が多いことでしょう。「仕事のやる気」を出すには、どうすればいいのでしょうか。著者の堀田さんは、テレワーカーの多くは「切り替え」に悩んでいると言います。

「株式会社LASSICが全国の20歳~65歳のテレワーク・リモートワーク経験者1077名にテレワークの悪い点についてアンケートをとりました。男性の45.16%、女性の38.92%の人が『仕事とプライベートの区別ができない』という回答をして、これは男女ともに最も多い割合であることがわかりました」(堀田さん)

   多くの人が、オンとオフの切り替えが難しいと感じていることがわかります。

「自宅が狭いなどの理由で、リビングで仕事をしている人もいるかもしれません。その場合は、オンオフの切り替えについて注意が必要です。脳は、同じ刺激を受け続けると効率的に脳を働かせるために、刺激を刺激と感じないように勝手にオフモードにします」(堀田さん)
「自宅で仕事をしていると、周囲の環境がずっと同じわけですから、脳へも同じ刺激が与えられ続けます。結果、脳がオフモードになり機能停止し、仕事モードへの切り替えが難しくなるのです。一番簡単なセルフコントロール法は場所を変えることです」(同)

環境が変わったときの脳の研究

   ここで、米マイアミ大アーロン・ヘラー准教授の研究を紹介しましょう。この研究は国際科学誌ネイチャーニューロサイエンスで発表されたもので話題になりました。

「被験者132人の移動の様子をGPSで3~4か月にわたって記録し、その感情の変化を調査しました。すると、場所の変化が多いほど、ポジティブな感情が高かったという結果になったのです。MRIを使って場所の変化とポジティブな感情との関連を探ったところ、環境の新しさと脳の報酬系に関わる部位の活性化は、密接に関わり合っていることがわかりました」(堀田さん)
「脳の報酬とは、人間の脳にある『報酬系』と呼ばれる神経のグループです。この部分が刺激されて活性化すると、やる気がでたり幸福感を覚えたりします。つまり、新しい環境にいるだけでやる気が出るということになります。この研究結果から、カフェなどに行って仕事をするのは、理にかなったセルフコントロールアクションになります」(同)

   これらの結果から、自宅であっても仕事にしか使わない部屋やデスクを用意する、庭やテラス・ベランダなどで行うなど、脳に「新しい環境だ」と思わせられる「仕事場所」を用意したほうが好結果を生む可能性が高いと言えるでしょう。

交感神経を刺激する

   人間は、活動しているときはアクセルというべき交感神経が優位で、寝ているときはブレーキというべき副交感神経が優位になっていることが明らかにされています。

「睡眠中の副交感神経が優位なリラックス状態から、起床して交感神経が活発に働いて脳が活性化するまでは大体3~4時間かかるといわれるので、午前中の早い時間に仕事に身が入らないのは仕方ないかもしれません」(堀田さん)
「東京ガス都市生活研究所と千葉大学の李らによる共同研究では、シャワーや入浴の際、40度以下のお湯だと副交感神経が優位になるリラックス効果があり、41度以上のお湯だと交感神経が刺激されて、目を覚ます効果があるという結果が出ました。熱いシャワーを浴びて、仕事開始に備えてみてもいいでしょう」(同)

   本書で紹介されている大学の研究者と医師の提言は、脳科学・心理学・医学などの研究で学術的・科学的に実証されたものばかりです。コロナ禍でパフォーマンスがイマイチ上がらないという人にオススメしたい一冊です。

(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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