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環境が変わったときの脳の研究

   ここで、米マイアミ大アーロン・ヘラー准教授の研究を紹介しましょう。この研究は国際科学誌ネイチャーニューロサイエンスで発表されたもので話題になりました。

「被験者132人の移動の様子をGPSで3~4か月にわたって記録し、その感情の変化を調査しました。すると、場所の変化が多いほど、ポジティブな感情が高かったという結果になったのです。MRIを使って場所の変化とポジティブな感情との関連を探ったところ、環境の新しさと脳の報酬系に関わる部位の活性化は、密接に関わり合っていることがわかりました」(堀田さん)
「脳の報酬とは、人間の脳にある『報酬系』と呼ばれる神経のグループです。この部分が刺激されて活性化すると、やる気がでたり幸福感を覚えたりします。つまり、新しい環境にいるだけでやる気が出るということになります。この研究結果から、カフェなどに行って仕事をするのは、理にかなったセルフコントロールアクションになります」(同)

   これらの結果から、自宅であっても仕事にしか使わない部屋やデスクを用意する、庭やテラス・ベランダなどで行うなど、脳に「新しい環境だ」と思わせられる「仕事場所」を用意したほうが好結果を生む可能性が高いと言えるでしょう。

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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