「3年は続けろ」に意味はない!?
いまの職場を辞めようかどうか悩んでいる人に参考になることも書いている。
「ある程度の年数を重ねて経験を積まなければ、何も身につかないし、成長しない」「諦めグセ、辞めグセがついてしまし、地道に頑張ることができなくなる」などの理由から、「3年は続けろ」と言われる。だが、宋さんは本当にそうだろうか、と提起している。
「同じ場所であれば、成長は鈍化する。そして、フィールドを変えたほうが早く能力を身につけて輝ける場所がある」と説明する。「逃げ」にするのか、それとも「勇気ある損切り」にするのかは、その後の本人の頑張り次第だからだ。
これからの時代に必要なのは、「発想力」や「未知のものにチャレンジする勇気」「軽やかな方向転換力」の方が、成果につながりやすいともあった。
宋さん自身も野村證券を4年で辞めたときは、勇気が必要だったと書いている。また、フルコミッションの営業で起業して大成功した人もいれば、反対に、大企業で10年以上働いた後に起業して苦しんでいる人もいるので、勤務年数は関係がないと考えている。
付録として、「ビジネスユーチューバーの戦略論」が載っている。
宋さんはノウハウより「エピソード」に価値があるという。実際、宋さんは野球部時代の話、野村證券時代の体験談をよく披露している。もう1つのポイントは、視聴者の予測する「斜め上」の興味深い考察や見解を意識することだという。1年半で20万人の登録者を集めたノウハウが書かれているので、これから始めようという人の参考になるだろう。
エピソード満載の本なので、笑って読んでいるうちに、元気が出てくる。そんな効用もある本だ。
(渡辺淳悦)
「一生使える『勝ちメンタル』のつくり方」
宋世羅著
青春出版社
1584円(税込)