「年収550万円正社員手放す」...仕事に疲れ、専業主婦になりたい女性の投稿炎上! もったいない?やめてもいい? 専門家に聞いた(1)

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「年収550万円の正社員を手放すのはもったいないですか?」

   3人の子を持つ40歳女性の投稿が炎上気味になっている。福利厚生のいい会社に勤めているが、「仕事にヘトヘトに疲れたからやめて専業主婦になりたい」というのだ。

   「家事を外注してでも頑張ってやめないで!」と応援する声と、「子どもとの時間も大切。やめていいよ」と共感する声とで賛否激論だ。専門家に聞くと――。

  • 毎日もうヘトヘトな女性(写真はイメージ)
    毎日もうヘトヘトな女性(写真はイメージ)
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正社員になりたくて頑張ってきたのに「550万円」を捨てるのか?

   話題になっているのは女性向けサイト「発言小町」(2022年2月6日付)に掲載された「正社員手放すか 年収550万」というタイトルの投稿だ。

   投稿した女性は、地方のメーカーに勤務する正社員で40歳。自身の年収550万円、夫の年収は750万円だという。3人の子ども(小学生2人、保育園児1人)がいる。ざっとまとめると、このような悩みを訴えるのだった。

「仕事を辞めたいなと思っています。正社員の収入を手放すのはもったいないことはわかっていますが、仕事が忙しく、子どもとの時間も少なく、日々イライラしていて、そんな自分にうんざり」「子どもたちが大きくなればどんどん楽になると先輩ママに言われていますが、そこを乗り切ることを目標にできず、今の小さい時期にもっとのびのび過ごさせてあげたいと思っています」

   保育園も学童も延長で19時まで。自分も共働きの親に育てられたが、放課後は家で兄弟や近所の子と遊んだものだった。いまは世帯で1300万円稼いでいるのに、土日に出かけて楽しむ余裕もなく、家でゴロゴロ。子どもたちを公園に連れていく元気もないらしい。「庭で遊んどいて」と上の子に下の子を任せ、自分はリビングで寝落ちしてしまうのだ。

専業主婦になり子どもと一緒の時間を過ごしたい(写真はイメージ)
専業主婦になり子どもと一緒の時間を過ごしたい(写真はイメージ)
「会社は福利厚生が充実しており、コロナの休園休校時には在宅させてもらうことも可能で、このご時世恵まれていると思います」「仕事は海外とのやり取りが多く、急ぎの案件も多く、やりがいはありますが、最近はやりがい感も薄れ、何もかもめんどうくさくなってきました」

   夫は家事に協力的で、「すぐにでも辞めて、ゆっくり休んで好きなことしたらいいよ」と言ってくれている。しかし、夫ばかりに負担をかけていいのかも悩みの種。夫の奨学金の残り(200万円)、住宅購入の残返済額(800万円)の借金もあるのだ。

   周りのママたちは、子どもが小さい間は専業主婦でも小学生になると働き出す人が多く、そのパワーを尊敬する。だが、自分は逆行しようとしている。過去には正社員になりたくて派遣社員から頑張ってきたこともあるだけに、「550万円の正社員」を捨てていいのか、と迷っているのだった。

「仕事は精一杯してきたけど、納得できる子育てしていない」

   この投稿には少数派だが、「やめていいよ」という賛成論があった。

「小さなお子さんの今の時期は取り戻せません。その時期をのんびり過ごしたいのであれば、それを選択したほうが何十年後の後悔が少ないのではないでしょうか」

「(お金は)何とでもなるよ」「女の40代は、もともと体力がある人しか3人も(というか保育園児を)育てられませんよ」「ただ、男の50代も結構ガタがくるので、その時は、恩返しであなたが働けばよい」「そのための充電期間だと思えばいいんじゃないかな」
ストレスなく働いていた頃に戻りたい(写真はイメージ)
ストレスなく働いていた頃に戻りたい(写真はイメージ)

   「私も正社員を辞めたけど、よかったよ」という経験者の共感の声も。

「大卒、正社員総合職で17年やってきましたが、この度会社を辞めました。子ども2人で(中略)とにかく仕事がハードだから」「上の子が思春期にさしかかり、『あれ、私今まで仕事は精一杯してきたけど、子育ては保育園、学童、親に頼ってばかりで納得できる子育てしていない』と思ったから」「子どもとの関わり、時間的余裕が変わりました。勉強も見てあげられます。家族の体調管理、しっかりしてあげられます」

「550万円の手取り分、丸々家事代行に使ったっていい」

   しかし、多くの人は「550万円の正社員、もったいない」「子ども3人は共働きでないと無理」という反対の意見だった。

「もったいない。心理的な限界と言われるが、ほとんどの人は、同じように限界ギリギリのところで働いている」「私ならせめて、借金を返済するまでは頑張ると思います」

「お子さんを3人もうけた時点で、よほどの資産家でなければ、正社員共働きをやめる選択肢はありません。お子さんたちの学費が貯蓄できているのですか」「単純計算で6000万円の貯蓄が必要ですけれど、大丈夫ですか」

   もっとも、投稿者の実情を理解してか、家事代行業やファミリーサポートを活用して乗り切ろう、時短に変更して正社員を続けよう、有休休暇・育児休業を目いっぱい活用しよう、といった激励のアドバイスも多かった。

家事代行業を頼んではというアドバイスも(写真はイメージ)
家事代行業を頼んではというアドバイスも(写真はイメージ)
「数年間のヤマだと思うので、家事外注やファミサポのシッターさんで乗り切っては?」「ご飯作ってくれている横で子どもたちと遊んで過ごすことが出来る」「都会の共働きはそういうヒトも多いです」

「550万円の手取り分、丸々家事代行に使ったっていいと思いますよ。(中略)育児の手がかからなくなる頃には(中略)昇給しているかもしれません」

「時短を取りましょう。頑張ってしがみついてください。私は子供2人でも時短正社員で切り抜けています。子どもが大きくなれば、そばにいる時間ではなくお金が必要になります!」

   一方で、「ヘトヘトになる疲れ」の原因には女性特有の病気(早めの更年期障害など)が隠れているのではと、心配する声も寄せられている。

「一度レディースコースの人間ドック受診を強くお勧めします。結構いらっしゃいますよ、とっても疲れる、疲れがちっとも取れない、と思ったら、ご病気だった、という例」

   さて、J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部は、今回の「年収550万円の正社員手放すのはもったいないか」という女性の投稿をめぐる論争について、女性の働き方に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに話を聞いた。

――この投稿と回答者たちの意見を読んで、率直にどのような感想を持ちましたか。

川上敬太郎さん「なにより、退職を考えるほど忙しくて、日々イライラしているという、投稿者さんの心身の状況が気がかりです。一方で、正社員という安定した雇用と550万円の年収は魅力的で、いまの状況が一時期なものである可能性も考えると、回答の多くが退職を思いとどまるよう説得する内容になっているのもうなずけます」

   このあとも、「正社員の女性が辞める選択に追い込まれる葛藤」というテーマに対する川上さんのアドバイスが白熱します――。<「年収550万円正社員手放す」...仕事に疲れ、専業主婦になりたい女性の投稿炎上! もったいない?やめてもいい? 専門家に聞いた(2)>に続きます。

(福田和郎)

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