東京外国為替市場 ドル売り材料に反応しやすい相場
ドル・円予想レンジ:1ドル=114円00銭~116円50銭
2022年2月11日(金)終値 115円41銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開か。
前週のドル円相場は、ドルが強含みで推移した。米国の1月の消費者物価指数が40年ぶりの高い伸びとなったことで、米国の利上げ幅の拡大観測が強まり、ドルは一時、1ドル=116円台前半まで上昇したが、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクが高まり、米国株が急落。米国の長期金利も低下したことで、ドルは1ドル=115円付近に下落した。
今週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。ドル買い材料となる米国の利上げ幅の拡大観測による長期金利の上昇圧力よりも、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの高まりと、これに連れた米国株の下落という、ドル売り材料のほうが、相場への影響を強めている。
米国の利上げ幅拡大に対する新たな動きが出ない限り、ドルは売り材料に反応しやすい相場が続くだろう。
経済指標は、国内では15日に2021年10~12月期GDP(国内総生産)速報値、17日に12月の機械受注、1月の貿易収支、18日には1月の全国消費者物価指数などが予定されている。
海外では、15日に米国の1月の卸売物価指数、16日に中国の1月の生産者物価指数と消費者物価指数、米国の1月の小売売上高と鉱工業生産指数、設備稼働率、FOMC(米公開連邦市場委員会)議事録(1月25~26日開催分)、17日に米国の1月の住宅着工件数などが予定されている。
(鷲尾香一)