「日産・三菱自・ルノー」連合、EV投資に3兆円 「結束」して世界競争に打ち勝つ!

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加速する世界のEV「内輪もめをしている余裕はない」

   電池開発の行方は日産の努力を注視するしかないが、とにもかくにも、3社が共同で目標を打ち出せるまでになったのは、3社には明るい話題に違いない。3社連合の実権を握っていたカルロス・ゴーン被告の逮捕、失脚、海外逃亡をはさみ、フランス政府の圧力を背にしたルノーの日産への影響拡大の動きと日産の反発などで経営が混乱した時期もあった。

   2010年に世界初の本格的な量産EV「リーフ」を発売するなど、かつてEVでは世界で先行していた日産も、世界のEV化が加速し、各メーカーが力を入れ、テスラを筆頭に新興メーカーも台頭するなか、内輪もめをしている余裕などない。3社は結束を固めることが競争上、不可欠と判断したわけだ。

   日産のEVとしては、小型車の代表である「マーチ」(欧州名「マイクラ」)の動向に関心が集まっている。今回、3社連合は小型車向けの共通車台をルノーが開発、生産するとした。マイクラを、共通車台をもとにEV化。欧州で2020年代半ばに発売して、最大400キロメートルの航続距離を実現するという。この400キロの航続距離は、現行の日産リーフの457キロ(電池容量は62キロワット時)と並ぶ性能になる。

   ただ、日本でのマーチとしての展開は未定だ。日産の小型車で最もコンパクトなマーチは、欧州では2017年に5代目マイクラが登場しているものの、日本国内のマーチは2010年登場の4代目からタイでの生産となり、日本に輸入されているが、モデルチェンジもできない状態が続き、トヨタ「ヤリス」、ホンダ「フィット」などライバルに大きく後れを取っている。

   欧州で次期マイクラをEV専用モデルとするなら、国内の次期マーチもEVとなるのが順当なところだが、HVなどのニーズも根強い国内マーケットの動向をどう読むかにかかってくる。

   いずれにせよ、かつての日産の看板車でもあったマーチがEVとして輝きを取り戻せるか。航続距離に加え、充電時間、価格などEVとしての総合力が問われることになる。(ジャーナリスト 済田経夫)

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