「リアルでしかできない」との固定観念を見直す
上司:「最近はリモートワークばかりの巣ごもり状態で、大変じゃないか? うまく情報交換もできないだろうし、仕事は大丈夫か? やはり、リアルで働くが一番だろう」
部下:「いえ。通勤時間が減りストレスもなく、仕事に集中できて、とてもはかどっています。必要な情報交換や資料の入手は、メールや社内のデータ共有システムで十分できますし」
上司:「そうか...。でも、メンバーどうしの雑談や相談もしにくくなって、不安だろう。寂しいと思うこともあるんじゃないか?」
部下:「チームのメンバー同士のちょっとした雑談や相談は、チャットで毎日やり取りしていますよ。先週も有志でオンライン飲み会をやって、結構盛り上がったんですよ?」
上司:「えっ!そうなのか...(不安で寂しいのは、こっちだけか?。飲み会に声くらいかけてくれてもいいのにな?)」
リモートワークに関するある意識調査では、「上司は寂しく、部下は気楽」という象徴的な結果が目を引きました。自分自身がリアル・コミュニケーションだけで仕事をしてきた昭和世代の上司は、とかくリアルが一番と思いがちです。また、部下の様子が見えづらく、報・連・相が不十分と感じる不安もあるでしょう。
しかし、若手世代はITツールでのコミュニケーションに慣れており、子育てや介護などと仕事を両立する部下なら、リモートワークのほうが効率的と考えることもあるでしょう。上司は「リアルこそ重要」という自分の固定観念を見直し、意識ギャップをも乗り越えていく心構えが大切です。