「適合計画書」が「お宝銘柄」発掘のヒントに
「週刊エコノミスト」(2022年2月15日号)の特集は、「東証再編 上がる株下がる株」。
東京証券取引所が4月から、プライム、スタンダード、グロースの3市場に再編される。そして、一部の企業が東証に提出した「適合計画書」が投資の機会になっているというのだ。個人投資家にとって、適合計画書を精査すれば、「お宝銘柄」を発掘するチャンスになりそう。
そこで、プライム市場への適合計画書を提出した東証1部企業296社の騰落率上位20銘柄を紹介している。この296社はプライム市場の基準を満たしていないが、適合計画書を提出すれば、プライム市場に移行できる救済措置を受けられる。
トップは明和産業の2.3倍の上昇。それ以外も軒並み2割以上が上昇している。明和産業は、レアアース、リチウムイオンの正極材、セパレーターなどを手掛けている。電気自動車(EV)関連のテーマ性が評価されたようだ。
2位のドリームインキュベータは、大企業向けの戦略コンサルとベンチャー投資が事業の柱だ。適合計画書では、ベンチャー投資の厳選・縮小で収益のブレを抑制する、と公表したのが好感されているという。
一方、東証1部からスタンダード市場を選んだ企業では、344社のうち100社で株価が上昇している。騰落率1位のOKKは154%の上昇。「身の丈のスタンダード市場を選択した企業を評価したい」という関係者の声を紹介している。
特集では、株主優待廃止は株主還元の強化とにらむ海外投資家の見方を伝えている。株主優待は多額のコストがかかるからだ。また、これまで海外投資家には何のメリットがなかったからだ。 4月の市場再編を前に、投資家は研究に余念がない。適合計画書はそのヒントのひとつになるようだ。
(渡辺淳悦)