インフレ圧力の強まりによる金融引き締めに向けた米国の政策動向が株式相場を揺らしている。米国の長期金利が上昇すれば、米国株が下落。その影響で、日経平均株価も下げ圧力が強まる。
ドル円相場も、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大とウクライナ問題に対する地政学リスクがドルの上値を重くしている。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 米国株下落が日経平均株価も下げ圧力
日経平均株価予想レンジ:2万6800円~2万8000円
2022年2月4日(金) 終値 2万7439円99銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、もみ合いか。
前週の日経平均株価は、5週ぶりに大幅反発した。米国の金融正常化への政策転換は相場にかなり織り込まれ、前々週までに大きく下落していた自律反発の動きが強まった。
今週の日経平均株価は、神経質な展開のなか、もみ合いとなりそうだ。米国の金融正常化への政策転換が相場に織り込まれたといっても、実際に米国の長期金利が上昇すれば、米国株の下落を通じて、日経平均株価も下げ圧力が強まる。まだまだ、米国の金融政策関連の動向には神経質な展開が続きそうだ。
特に、米国の金融政策転換がインフレ圧力の強まりを背景にしているだけに、10日発表の米国の1月の消費者物価指数には注意が必要だ。
東京外国為替市場 米国の経済指標の発表に要注意!
ドル・円予想レンジ:1ドル=114円50銭~116円50銭
2022年2月4日(金)終値 115円20銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが底堅い動きか。
前週のドル円相場は、ドルが下げ渋りの動きとなった。ドルは、前週までのドル高を引き継いで、週初には一時1ドル=115円台半ばまで上昇したが、その後、ウクライナ問題に対する地政学リスクを背景に、1ドル=114円台前半まで下落した。
ただ、1月の米雇用統計の結果が市場予想を上回り、米国の長期金利が上昇したことを受け、ドルは1ドル=115円台前半まで値を戻した。
今週のドル円相場は、ドルが底堅い動きとなりそうだ。米国の金融政策正常化への政策転換は相場に織り込まれてきているものの、ドルの下支えになっている。半面、オミクロン株の感染拡大とウクライナ問題に対する地政学リスクがドルの上値を重くしている。
10日発表の米国の1月の消費者物価指数など、経済指標の結果次第では、再び金融引き締め観測が強まる可能性もあり、注意が必要だ。
経済指標は、国内では7日に12月の景気動向指数、8日に12月の家計調査、1月の景気ウォッチャー調査、9日に1月の工作機械受注、10日に1月の企業物価指数などが予定されている。
海外では、8日に米国の12月の貿易収支、10日に米国の1月の消費者物価指数などの発表が予定されている。
(鷲尾香一)