マスクをしていても感染...「マスク神話」だけに頼らぬよう
「Foreign Policy」は、日本人の「マスク着用率の高さ」が、オミクロン株対策で後れを取った一因ではないかと伝えています。屋外でもマスクを着用する日本人の「マスク習慣」は、従来のコロナ対策には十分な威力を発揮したものの、強烈な感染力を持つオミクロン株に対しては、「マスク効果に頼りすぎたのではないか」と分析。加えて、「もっとブースター接種を加速すべきだ」と主張しています。
こうした海外メディアの辛口コメントを裏付けるように、先日、オミクロン株はマスクを着用していても感染力が強い、という調査結果が報じられました。
理化学研究所などの研究チームが発表したデータによると、「感染者と1m以内まで近づいてマスクをせず15分間会話をすると、感染確率は60%」と非常に高くなるだけでなく、「マスクを着用していても話し相手との距離が50cm以内にまで近づくと、最大で約30%の感染リスクがある」というから驚きです。
オフィスでは、相手との距離が50cm以内で会話することなんて日常茶飯事。私もずっと「マスクをしているから安心!」と思って同僚やクライアントに接していましたし、ましてや、家庭内ではマスクをしないで会話することがふつうです。
デルタ株までは、どうにか「マスク対策」や「三密回避」で乗り切ってきた私たちですが、オミクロン株は相当手ごわいようです。
こうなったら、諸外国のようにブースター接種を加速させて、医学の力で乗り切るしか道はないのでしょうか。オミクロン株は、「マスク神話」を覆して、「outdated」(時代遅れ)にしてしまった感があります。
それでは、「今週のニュースな英語」は、「outdated」(時代遅れ)を使った表現です。
This technique is completely outdated
(この技術は完全に時代遅れだ)
This guidebook is outdated
(このガイドブックは時代遅れだ)
The computer is outdated
(このコンピューターは旧式だ)
Your idea is outdated (君のアイデアは時代遅れだよ)
昨年末にオミクロン株が初めて南アフリカで発見された時から、海外渡航者を制限する「水際対策」だけでは不十分だと指摘されていました。にもかかわらず、瞬く間にブースター接種を開始した諸外国と比べて遅れが目立った日本政府の対応。「outdated」(時代遅れ)なのは、日本政府そのものなのかもしれません。
(井津川倫子)