お粗末な上司の「イジリ」を受け流すのも手だが...
――川上さんなら、この投稿者にどのようにアドバイスをしますか。
川上さん「本気でおごるように要求しているのか――あらたまって直接上司たちに確認してみてはどうかと思います。上司たちは自分たちの冗談が、冗談だと受け止められなくなっていることに気づいていない可能性があります。
しかし、直接確認するのは気が引けるという場合は、さらに上の上司や人事などに相談してみてもよいと思います。本気で部下におごるように要求するような上司であれば、他にも同じように、立場の弱い社員に恐喝めいたことをしている可能性があります。
一方、冗談で言っている可能性のほうが高ければ、適当に調子を合わせながら気にせず受け流してしまってかまいません。しかし、あまりのしつこさにガマンできず受け流せない場合は、キッパリとやめてほしいと伝えるか、上司たちの上司、あるいは人事に相談してよいと思います」
――投稿者の女性は、「性格上キッパリ断ることができない」と書いていますね。
川上さん「お粗末な上司たちのせいでストレスを溜めてしまい、投稿者さんが心身の健康を害してしまうことのほうが心配です。
ただ、上司たちとしては、年代の離れた投稿者さんと楽しくコミュニケーションをとっているつもりなのかもしれません。『いつごちそうしてくれるの?』という投げかけに、困った顔をしながら『お金ないんで』と返す投稿者さんとのやりとりを『お約束』のノリで楽しんでいるのかもしれません。
俗に言う『イジリ』です。それらの『イジリ』や『お約束』がイヤでなければ、上手く合わせればよいでしょう。しかし、苦痛であれば、やっぱり一度きちんと気持ちを伝えたほうが、お互いにとってもよいと思います。『イジリ』や『お約束』は、信頼関係が成立している中で行われてこそ楽しめるのであって、一方的に押し付けるものではないということを上司たちは学ぶべきです」
(福田和郎)