「レジで支払う姿を見ないのがたしなみ」
――たしかにそのとおりですね。お中元でなく、ノミュニケーション場の「おごる」「おごられる」ではどうでしょうか。上司も昔は「交際費」で落とすことができました。「上司におごられた時は、上司がレジで支払う様子を見ないことが女性社員のたしなみ」というのは、昔からよくある話。上司だって領収書を請求する姿(それも、金額が白紙だったら...)を部下に見られたくない、と。昨今は経理事情が厳しく、いつも上司がおごるとなると大変だと思いますが、職場の飲み会の「おごる」「おごられる」問題についてはどう思いますか。
川上さん「必ずしも、上司がおごるべき、ということではないと思います。が、差しさわりのない人づきあいの中で、ねぎらいや感謝の気持ちを込めた『おごる』『おごられる』の関係も、たまにはよいものだと思います。ただし、余計な勘繰りがされるような金銭のやり取りにならないようにだけは、重々注意しておく必要があります。
また、たとえば上司の誕生日に食事に招待して、その時は部下たちだけで支払うという交流も、個人の負担が大きくなり過ぎず、誰かが抜け駆けして上司に取り入るようなかたちにもならないため、よいコミュニケーション機会になるかもしれません。
一方、飲み会費用を会社経費として処理できる場合は、部下たちも上司の支払いに期待しそうです。しかし、会社経費の場合、上司は支払権限を持っているだけで、それは会社のお金。上司のお金ではないので、決しておごったことにはなりません。会社の利益を考えて、有益な親睦の場にできているか、上司が適切に判断すればよいのだと思います」