イオンモールが打ち出した「全電力再エネ化」計画 注目される「非化石証書」を使わない取り組み

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カギは電気自動車?

   他にイオンモールの特徴的な手法として、家庭で発電した余剰電力の買い取りがある。FITによって屋根に太陽光発電パネルを設置した戸建て住宅が増えたが、FITの買い取り期間が過ぎれば、太陽が照っている日中に余剰となる電力の行方が課題となってくる。そこで導入しようとしているのは、住宅の余剰電力を家庭の電気自動車(EV)に充電して、そのままイオンモールまで運転していって、EVから施設の大型蓄電池に放電するという手法だ。協力した来店者は、放電した電力に応じてポイントなどを進呈される。

   企業が調達する脱炭素の電力を巡っては、大手電力会社などの小売電気事業者が化石燃料による電力ではないことを証明する「非化石証書」と合わせて販売するプランが、現状では主流となっている。

   この非化石証書は、小売電気事業者が非化石電源比率を算定するために作られたもので、電力を消費する側にとっては使いにくいとの指摘もある。

   イオンモールが打ち出した計画は、非化石証書を使わない点でも注目される。こうした大口の電力消費企業による取り組みは、カーボンニュートラルの目標達成に向けて動き出した日本企業にとって指針となりそうだ。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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