きょうは、50代のEさんがいらっしゃっています。
「定年後の働き方については具体的に考えていませんが、定年後もできるだけ長く働きたいと思っています。10年後に備えて、今からできることを少しでもやっておきたいと思います。日常的にどんなことをやっておいたらいいでしょうか。」
会社の肩書き以外に自分自身の信用を高めていく
ふつう会社員であれば、名刺や肩書きがEさんに対する信用力を高めてくれていると思います。初対面の人であっても、名刺に「○○株式会社 部長」などの肩書きがあれば、ある程度の安心感があるでしょう。
でも、定年後になると、この名刺効果がなくなります。たまに「前は◯◯株式会社で部長をやっていました」と定年前の肩書きをアピールする方もいますが、現役時代のような社会的な信用力は減ってきています。むしろ、「まだ昔の肩書きを引きずっているんだな」なんて思われているかもしれませんよね。
そこで、Eさん、今から自分自身の信用力を高めていきましょう。
物を大切にする人は、人も大切にしている
学歴が高い、高級車に乗っている、出版物の著者である......などなど、いわゆる世間的な評価からの信用度もあると思いますが、今回は、日常的に高められる「信用の質」について紹介します。
ちなみにEさんは、普段どのような傘を使っているでしょうか。一般的な傘、折り畳み傘、ビニール傘? Eさんのお返事は「折り畳み傘ですね」。Eさんは物を大切にされていますが、ビニール傘を使い捨てのように雨が降るたびに購入している人もいますよね。すると、物を大切にしないという印象を受けやすいです。
プロのスポーツ選手や仕事ができる人は、物を大切に扱う傾向があるといいます。ただ、安いからという理由で購入せずに、気にいった物を購入し、愛着を持って手入れをしながら長く使い続けているのです。
父親からもらった古い腕時計などしている人も「物を大切にしているんだな」と何となく信用度が増しますよね。物を大切にする人は、自然と、人に対しても丁寧に接していると思います。
たとえば、美容師さんの場合、ハサミを丁寧に扱っている人だと安心できますし、逆にハサミを落としてしまう人だと「この人に任せて大丈夫かな」と不安な気持ちになりますよね。実際にシャンプーが雑だったりすると、「やっぱりか」と思うことがありますね。
人を大切にすることで日常的に信用力を高めていく
ビジネスにおいては、「人間性」と「スキル面」を意識することでまわりからの信用力が高まっていくと思います。今回は人間性による信用力にフォーカスしたいと思います。
たとえば、このような人が信用されやすい傾向があります。
・損得ではなく、他人のために行動できる
・行動と発言が一致している
・約束を守る
・人の話をしっかり聞き、自分の価値観を押し付けない
・ミスした時は他責しない
人から信用を得るためには、特別なテクニックが必要というではありません。相手のことを大切に考えているため、人に対しても丁寧に接することができるようになるのです。
約束を守る、待ち合わせの時間を守る人も、お金のやり取りは発生しませんが、確実に「信用貯金」は貯まっていくでしょう。
物を大切にしている人は、相手の価値観や考え方も大切にできる人だと思います。自分の価値観を相手に押し付けるのではなく、相手のことを理解しようとすることで、相手の価値観を受け入れることができるようになります。
これらの信用力は、すぐに得られるものではありません。地道な積み重ねと努力が必要だと思います。Eさんは退職まで10年近くあるので、今から日常の中で信用力を高めていきましょう!
定年後に向けて、ぜひEさん自身の信用貯金を増やしていきましょう。信用力が高まると、何かあった時にEさんに声がかかりやすくなるはずです。
(ひろ子ママ)