「インフレ退治のタカ」と化した米FRB、利上げ決定示唆 米国株続落...エコノミスト注目「5大ハイテク株」の行方は?

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米ハイテク「GAFAM」の株価が軒並み下落だが...

   さて、今後の米株式市場はどうなるのだろうか。必ずしも厳しさ一辺倒でない、というのが野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏だ。石黒氏のレポート「利上げ局面到来も米国株は本当に割高か」(1月27日付)のなかで、「FRBの利上げ加速で米国株には下押し圧力がかかるとの見方もあるが、米国株は利上げに耐えられないのだろうか」と疑問を投げかける。

「米実質金利が上昇したとしても、企業利益が伸びていけば、金利面からみた米国株の割高感は高まらない」「現在行なわれている米主要企業の決算をみても事前予想を上回る企業が目立ちます。業績面からみて米国株への見直し余地は高まってきたと考えられます」
「タカ派」色を鮮明にし、インフレ退治に乗り出したパウエルFRB議長
「タカ派」色を鮮明にし、インフレ退治に乗り出したパウエルFRB議長

   一方、そうした見方とは逆に、米国経済を牽引してきたハイテク株の下落に懸念を示すのが、三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト市川雅浩氏だ。市川氏のレポート「米ハイテク株の調整について」(1月26日付)のなかで、「一極集中投資が進んだGAFAM株が崩れて、米国株全体に波及した」と指摘している。

   GAFAM(グーグルの持ち株会社アルファベット、アップル、フェイスブック(現・メタ)、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)はここ数年、米国株のけん引役となってきたが、これは彼らの高い人気によるところが大きかった。

   しかしながら、投資マネーがGAFAMに極端に集中した結果、この5社の時価総額合計は、2021年12月末時点で、S&P500種株価指数の時価総額の約24%を占め、東証1部上場企業(2021年12月末時点で2182社)の時価総額合計の約1.5倍に達した。

   ところが、FRBがタカ派色を鮮明にして以来、アマゾン・ドット・コムのマイナス25%を始め、下落が始まったという=図参照。これは、GAFAM株が調整局面を迎えたためで、米国株が全体として調整色を強めてしまう恐れがあるというのだ。

(図表)軒並み株価が下落した米ハイテク企業の「GAFAM」5社(三井住友DSアセットマネジメント作成)
(図表)軒並み株価が下落した米ハイテク企業の「GAFAM」5社(三井住友DSアセットマネジメント作成)

   ただし、市川氏は、「GAFAM株の調整は、投資の偏りを是正する健全な動きであり、成長性を否定するものではない」と指摘して、次のように結んでいる。

「ポイントは、リスクを取りすぎていないか、投資先が偏っていないかを事前に確認することであり、(中略)これらの備えによって、相場環境の急変時にも、落ち着いた行動ができると考えています」

(福田和郎)

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