バッハ会長まさかの銅像に! 北京五輪で明らかになった「今、世界で最も会いたい海外VIP」(井津川倫子)

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   世界中がオミクロン株の猛威にさらされているなか、北京冬季五輪開催に向けた準備は着々と進んでいるようです。

   先日、現地入りした国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が中国の習近平(Xi Jinping)国家主席と面会。東京五輪で「ぼったくり男爵」と批判されたバッハ氏ですが、北京でも「異例の特別待遇」は変わりません!

   このたびはなんと、バッハ氏の銅像までお目見えしたそうですから驚きです!

  • 2022年北京オリンピックがいよいよ開幕!(写真は、開会式会場となる「鳥の巣」こと国家体育場)
    2022年北京オリンピックがいよいよ開幕!(写真は、開会式会場となる「鳥の巣」こと国家体育場)
  • 2022年北京オリンピックがいよいよ開幕!(写真は、開会式会場となる「鳥の巣」こと国家体育場)

バイデン大統領よりも岸田首相よりも「バッハ会長に会いたい!」

   まもなく開幕する北京冬季五輪に先立ち、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席がトーマス・バッハ会長と面会しました。2020年に新型コロナウイルの世界的大流行が始まって以来、習氏が外国の要人と面会するのは2年ぶりとあって、世界中のメディアが二人の面会に注目しました。

   Bach has become the first foreign dignitary to hold face-to-face talks with Xi Jinping for nearly two years
(バッハ会長は、この2年間で習近平氏が面会した初めての外国要人となった:海外スポーツメディア)

   foreign dignitary:各国の要人、海外の首脳
   face-to-face:面と向かって、直接対面して

   世界で最初に中国で新型コロナウイルスが発見されたこともあり、習氏は2020年3月に北京でパキスタン大統領を迎えて以来、他国の首脳と面会していませんでした。

   この間、新たに就任した米国のバイデン大統領にも日本の岸田首相にも直接対面を避けてオンラインでの「対話」を選んだ習氏が、なんとバッハ会長には「face-to-face」で面会したとあって、「あの、習氏が久しぶりの対面相手にバッハ氏を選んだ!」と話題になっているのです。

   今回の「歴史的な対面」を報じる現地メディアの映像には、大勢のマスク姿のスタッフに囲まれたバッハ会長と習氏が、なぜか二人だけマスクを外して会話をする様子が映し出されていました。

   もちろん二人の距離は数メートル離れていましたが、二人だけマスクを外している姿はかなり不思議な光景でした。バッハ会長との親密さを演出するために、マスクを免除したのでしょうか?マスクまで「特別対応」をするのかと勘ぐってしまいます。

   中国政府のバッハ会長への「特別対応」はまだまだ続きます。

   「ゼロコロナ」政策を掲げる同国では、海外からの入国者には数週間の隔離が定められていますが、今回、バッハ会長の隔離期間は「たったの3日間」だったとのこと! 東京五輪の時も特別ルールをガンガン適用していたバッハ会長ですが、北京でも当たり前のように「特別待遇」を享受しているようです。

なんと、バッハ会長の銅像まで作ってしまった!

   2008年にも北京で夏季五輪が開催されましたが、当時とは比べものにならないくらい世界の大国となった中国。2012年に国家主席に就任した習氏にとって、今回の冬季五輪は初めての五輪になります。

   少数民族のウイグル族が弾圧されているとして、米国が政府当局者を派遣しない「外交ボイコット」を表明し、それにカナダやオーストラリア、英国が同調するなど国際的な反発を招いている習氏ですが、バッハ会長は事あるごとに北京冬季五輪への強固な支持を表明していました。

   強力な「援軍」への感謝の気持ちを表したかったのでしょうか? なんと、北京中心部の公園にバッハ会長の銅像が建てられたことが報じられました!

   Bust of Thomas Bach unveiled in Beijing to celebrate 2022 Winter Olympics
(2022年冬季五輪を祝って、北京市内でトーマス・バッハ氏の胸像が除幕された)

   unveil:ベールを剥がす、明らかにする
   bust:胸像

   「unveil」は、文字どおり「veil」(ベール)「un」(取る、剥がす)という意味の単語ですが、今回は「除幕された」「お目見えした」といった意味で使われています。北京五輪を前に堂々とお目見えした胸像は、高さ72センチのブロンズ像で、笑顔で微笑むバッハ会長の姿を表しています。

   胸像が設置された公園は、2008年の北京夏季五輪を記念してつくられたもので、すでに存在する近代五輪の創始者・クーベルタン男爵らの銅像にバッハ氏が新たに仲間入りした形になりました。

   現地メディアは、「公園はオリンピック精神をもっと推進するためにささげられた」と伝えていますが、バッハ氏も自身の胸像に迎えられて、さぞご満足なことでしょう。胸像だけではなく、リアルなバッハ会長が満面に微笑む姿が目に浮かびます。

   それでは、「今週のニュースな英語」は、「unveil」を使った表現を紹介します。ビジネスの場面でもよく目にする単語です。

   The new product was unveiled at the press conference
(記者会見で新商品が発表された

   The company has unveiled plans to increase sales
(会社は売り上げ向上策を明らかにした)

   TOYOTA unveiled a new car
(トヨタが新しい車を発表した)

   Our company unveiled a new logo
(わが社が新しいロゴを明らかにした)

   「オリンピックは参加することに意義がある」という名言がありますが、世界中の人がパンデミックに苦しむなか、何ごともなかったように五輪開催を強行する開催国とIOC。東京と北京の二つの五輪を通じて、「開催することに意義がある」という本音が「unveil」(明らか)になった気がします。

(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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