自動車のEV化で村田製作所の活躍する余地は大きい
こうした取引先の部品確保策もあって村田製作所の2022年3月期連結決算の業績予想は、最終利益が前期比14.3%増の2710億円と過去最高更新を見込む。
ちなみに、村田製作所においてMLCCを含むコンデンサー部門は、21年9月中間連結決算において売上高は全体の43.2%に及ぶ。
もっとも、需要の反動減があったとしても、中長期的に村田製作所が成長を続ける可能性は十分にある。たとえば電動化が急速に進む自動車はMLCCを必要とする量も拡大する見通しで、村田製作所が活躍する余地は大きい。
また、競争力あるMLCCなどで稼いだ資金をM&A(企業の合併・買収)やIT投資に振り向ける計画を21年11月に公表しており、そうした面からも期待されている。一時的に株価は軟調となるかもしれないが、そうした将来性が見えてくれば反転する可能性も小さくないと言えそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)