今そこにあるウクライナ危機! エコノミストが警戒「最悪のシナリオはロシアと中国の連携」

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ロシアと中国が手を結べば世界経済は...

   さらに、支持率が急落している米バイデン政権の足元を見透かし、ロシアと中国が連携するのではないかと懸念するのが、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト木内登英氏だ。

   木内氏のコラム「緊迫するウクライナ情勢:地政学リスクと金融市場の反応」(1月25日)のなかで、ロシアが見切っている欧米諸国の「弱み」をこう解説する。

「(バイデン政権の海外での軍事活動は)既に低迷している支持率を一段と押し下げ、中間選挙に決定的な打撃となること恐れて、バイデン政権は武力行使に慎重、とロシア側は考えているのではないか」
ロシアに足元を見透かされているバイデン大統領
ロシアに足元を見透かされているバイデン大統領

   その背景として、ロシアは原油と天然ガスの主要産出国で、ロシアから欧州に向かう天然ガスの大半はウクライナを経由するパイプラインを通じて供給されていることを挙げながら、

「軍事的な衝突が起これば、それらの供給に支障が生じ、エネルギー価格の急騰が世界経済に一段の打撃をもたらす」「西側諸国は結束した行動を示せないとロシア側が考える根拠の一つは、ドイツのエネルギー事情。(中略)ドイツは2022年末までの原発廃止を決定した。(中略)ロシアからのエネルギー輸入に対する依存度はかつてないほど高まっている」

と分析する。

   ロシアが唯一脅威にしている経済制裁は、米国がロシアの銀行のドル調達を制限することだ。しかし、ロシアには「奥の手」があるとして、木内氏は次のように指摘するのだった。

「その場合、ロシアは中国から支援を受けられることを期待している」「(ロシアのウクライナ侵攻が)ロシアと中国の連携の強さを改めて確認させるものとなれば(中略)世界経済の分裂といった(中略)より大きく深刻な将来のテーマを、金融市場は読み込み始める可能性がある」

(福田和郎)

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