今そこにあるウクライナ危機! エコノミストが警戒「最悪のシナリオはロシアと中国の連携」

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長年の経済制裁で「しぶとさ」身に着けたロシア

   一方、こうしたエネルギーをロシアに依存する欧州の事情と、米バイデン政権の「弱腰」を見越してロシアがウクライナに武力侵攻する可能性が高まっていると警戒するのが、大和総研ロンドンリサーチセンターシニアエコノミスト(ロンドン駐在)の菅野泰夫氏だ。

   菅野氏のレポート「米国の経済制裁も効かず、ロシアによるウクライナ侵攻は時間の問題か?」(1月25日付)のなかで、ロシアはクリミア半島併合(2014年)以来欧米から経済制裁を受け続けており、「対処法」を身に着けている、と指摘する。

「バイデン政権はロシアがウクライナに武力侵攻した場合、かつてないほど厳しい経済的制裁を課すと警告している」「一方、制裁による西側諸国への副作用も否定できない。米国は新しいドイツ連立政権に対し、ロシアからのガスパイプラインであるノルドストリーム2(=図表2参照)の承認を中止するよう圧力をかけている」「ただし、ロシアはソ連時代のルーブル経済圏での国家運営の蓄積もあり、西側諸国からの制裁下でも支障なく経済的自立ができる」
(図表2)ロシアからドイツへの天然ガスパイプライン(大和総研作成)
(図表2)ロシアからドイツへの天然ガスパイプライン(大和総研作成)

   そして、西側諸国のほうが痛手を受ける可能性があると、こう結ぶのだった。

「それに加えて、(ロシアの)さまざまな対策が功を奏したため、既に制裁の効果は乏しく、その副作用であるエネルギー価格高騰だけが独り歩きする可能性は否定できない」
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