冬の時代終わり、にぎわう暗号資産のいま...週刊東洋経済「暗号資産」 週刊ダイヤモンド「薬剤師・薬局」、週刊エコノミスト「半導体」を特集

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   「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」「週刊エコノミスト」、毎週月曜日発売のビジネス誌3誌の特集には、ビジネスパースンがフォローしたい記事が詰まっている。そのエッセンスをまとめた「ビジネス誌読み比べ」をお届けする。

  • 活況に沸く暗号資産の現況(「週刊東洋経済」の特集から)
    活況に沸く暗号資産の現況(「週刊東洋経済」の特集から)
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NFTのデジタルアートが話題に

「週刊東洋経済」(2022年1月29日号)
「週刊東洋経済」(2022年1月29日号)

   まず、2022年1月24日発売の「週刊東洋経済」(2022年1月29日号)の特集は、「全解明 暗号資産&NFT」。ビットコインなど暗号資産が活況に沸く現況をリポート。また、NFT(非代替性トークン)、3次元仮想空間のメタバースをわかりやすく解説している。

   いまから3年前の2018年1月、日本の大手交換所コインチェックで、約580億円相当の暗号資産が流出する事件があって以降、暗号資産業界は冬の時代が続いてきた。

   しかし、代表的な暗号資産であるビットコインの価格は、2020年後半から徐々に上昇した。昨年11月には777万円(当時の為替レート)と、事件前ピーク価格の3.5倍になった(22年1月中旬には400万円台に下落)。

   米EV大手のテスラが15億ドル相当のビットコインを購入していることを発表するなど、企業にも浸透し始めている。さらに、NFT、メタバースで使い道が広がっているのも背景にある、と指摘している。

   ところで、NFT、メタバースとは一体何か。NFTとは、ブロックチェーン技術を用いた、偽造や複製が困難な唯一無二の鑑定書や証明書のこと。「Non-Fungible Token(ノン・ファンジブル・トークン)の略で、「非代替性トークン」と訳される。

   なかでも、NFTのデジタルアートは有名だ。デジタルアート自体はコピーし放題だが、NFTは唯一無二なので、1人しか保有できない。高額な取引は、転売目的の投機要素が強いとも言われる。会員権代わりに利用する使い方もあるそうだ。

   もう一つ、メタバースとはネット上の仮想空間のこと。以前、「セカンドライフ」という仮想空間があったが、尻すぼみになっていた。時代が進み、いまでは収益化が期待されている。

   特集では、ビットフライヤー、コインチェックなど、交換所ビジネスの現状、ビットコイン相場を読む裏技などを紹介。暗号資産による資産形成について指南している。

   また、NFTビジネスに沸くスポーツ界の取り組みもまとめている。プロ野球パ・リーグ6球団が出資するパシフィックリーグマーケティングはメルカリと共同で、人気選手の名場面を収めた動画トレーディングカード事業を始めた。サッカー界も手を伸ばし、Jリーグも選手の育成ゲームを展開することを発表した。

   GMOインターネットの熊谷正寿・会長兼社長は「芸術家に創作資金を還元する画期的技術だ」と話し、NFTマーケットプレースを開始した。坂本龍一さんら著名なアーティストが出品している。

   フェイスブックは昨年、社名を「メタ」に変更。メタバースに力を入れることを明らかにした。フェイスブックジャパンの味澤将宏・代表取締役は

「閉じた空間にはせず、相互の往来を可能に。ゲームやエンタメに加え、フィットネスや教育など、今後も多くの事例が生まれるだろう」

と話している。

   2007年をピークに企業が撤退した「セカンドライフ」との違いは3つあるという。1つ目はデバイスやネットワークが進化し、気軽にメタバースを楽しめること。2つ目はSNSが一般化し、バーチャルのアイデンティティーを持つことが当たり前になったこと。3つ目は、ユーザーや企業が「稼げる」機会が増えたことだ。

   すでにゲーム内ではNFTの売買が行われ、仮想の「土地」の売買で3000万円超の含み益を得た男性を紹介している。バーチャルな世界での一攫千金を夢見る人たちが参入しているようだ。リアルな世界の法規制などが及ばない「仮想空間」で、何が行われるのか、注目したい。

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