米国経済への危機感...エコノミストが警戒するFRB予想以上の「タカ派姿勢」「恐怖指数」の行方

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投資家心理を測る変動性指数(VIX)に注目を

   ところで、1月25日の米株式市場は値動きの荒い展開となった。ダウ工業株平均は一時1100ドル近く下落したが、午後から買い戻しに転じて、かろうじて前週比プラスで終わった。

   しかし、この日注目されたのは、投資家心理を測る指標である変動性指数(VIX)が一時、前週末比より3割高い38と心理的危険水域である30を大きく上回ったことだ。

   VIX(ヴィックス)は「Volatility Index」(ボラティリティ・インデックス)の略。恐怖指数とも呼ばれている。

   VIXが40を超えると、株価の暴落が始まると言われる。日本経済新聞(1月25日付)「NYダウ乱高下、FRB・ウクライナ警戒で一時1100ドル安」の中の「ひとくち解説欄」で、同紙マネー・エディターの山本由里記者は

「利上げ、地政学リスク、資源高、コロナ......マーケットの波乱要因は満載。恐怖指数と呼ばれるVIXが一時40近くというのはなかなかの恐怖です。一度、乱気流の時間帯に入るとしばらくブレは大きくなります。こういう時こそ基本に返る。(中略)やってはいけないたった1つのこと、それは『慌てて売り払う』。損失が確定し回復のチャンスを失います」

と指摘した。同欄では、同紙編集委員の高井宏章氏も、この「恐怖指数」が高まったことに注目した。「(恐怖指数VIXの上昇は)それが何を意味するのか。『誰の恐怖』を反映しているのか」として、関連動画「株安の前兆『恐怖指数』VIXはこう読む」でも解説したのだった。

   それによると、リーマンショック時などのパターンから、VIXの急上昇は株価急落前の前兆と言えるという。VIXが40~60になるとパニック状態に近くなる。もっとも、高井氏は動画の中で

「VIXがこうした異常値を示した時、株価が急落したあとには往々にしてリバウンドが待っています(株価が戻る)。つまり、VIXが異常値をつけているのは、マーケットが過度に悲観に傾いているんだろうなと解釈しています」

とアドバイスするのだった。バタバタしないで、ちょっと引いてみましょう、というわけだ。今後は米国市場の「恐怖指数」(VIX)にも注目だ。

(福田和郎)

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