カスタムカーやチューニングカーの祭典「東京オートサロン2022」が2022年1月14~16日、千葉市の幕張メッセで開かれた。
注目を浴びたのは、日産自動車の新型「フェアレディZ」などの新モデルやコンセプトカー(参考出品車)だ。
日産「フェアレディZ」、日本初のお披露目
日産自動車は、新型Zのプロトタイプ(試作車)を2020年9月に発表。21年8月に米国仕様のZをニューヨークで公開した。22年春に発売するが、日本向けのフェアレディZの発表は今回が初めて。日本国内では6月発売が正式にアナウンスされ、メディアの関心は高かった。
日産はオートサロンの開幕初日に開かれたオンラインの「新型フェアレディZ発表披露イベント」に、内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)が登場。内田社長は「フェアレディZファンの代表」として、タレントでレーシングチーム監督の近藤真彦氏とZの魅力を語り合った。
今回、オートサロンはオンラインで自動車メーカー各社の社長らが登壇するリレー方式のイベントを行った。日産の内田社長は2番手の登板で、トップはトヨタ自動車の豊田章男社長だった。
トヨタは「トヨタGazoo Racingプレスカンファレンス」として、豊田社長がトークイベントを行い、モータースポーツ参戦車両のコンセプトカーなどを発表した。
そのトヨタのオンラインイベントが終盤に近づくと、豊田社長は「次は日産? 内田さんかな?」などと、日産を意識し始めた。
そして、豊田社長は突然、「日産のみなさん、Zには負けませんから。聞いてる? Zには負けませんから」と発言した。真顔ともユーモアともとれる表情だった。会場には笑いが起きた。
「新型BRZも負けてはいられません」とSTIの平岡社長
今回、日産が披露した新型フェアレディZは東京オートサロンの花形のひとつだった。他メーカーにとっては気になる存在に違いない。
豊田社長にとって、新型フェアレディZは強敵で、東京オートサロンの最大のライバルだったのだろう。
この発言を受け、内田社長は何と答えたか。
「いえいえ、絶対に頑張ります。我々も負けないです」
意外にも内田社長の発言は控えめだった。
オンラインイベントで豊田社長から挑戦状を受けるとは、内田社長は想定していなかったのだろう。
内田社長は「新型Zは過去のZのいいところを集めた美しいクルマになっています。コーナーでも安心して操縦でき、私でも運転がうまくなったと思えます」などと新型Zを評価した。
日産に続き、オンラインイベントに登場したのは、SUBARU(スバル)と子会社のスバルテクニカインターナショナル(STI)。STIの平岡泰雄社長は「新型Zは素晴らしかったですね。新型『BRZ』も負けてはいられません」などと語った。
リレー方式で行われた東京オートサロンのオンラインイベントは、新型Zの話題で持ち切りだった。(ジャーナリスト 岩城諒)