英国王室に新たな火種が勃発です!
火元はやはり、「お騒がせカップル」のメーガン妃とハリー王子のお二人。英王室を離脱したハリー王子の警備費用をめぐって、夫妻と英政府との対立が深まるなか、「仲直り」を試みた父親のチャールズ皇太子に過去のスキャンダルが再燃するなど、トラブルの火は広がる一方です。
エリザベス女王の即位70周年や故フィリップ殿下の一周忌など、王室イベントが目白押しの2022年。やっぱり「ゴシップの宝庫」英王室から、目が離せません!
お騒がせ夫婦、今度はハリー王子が「英政府を訴える」?!
早いもので、2020年にハリー王子夫妻が英王室を離脱してからちょうど2年。この間、米ロサンゼルスに移住して、暴露本の出版やメディアからの莫大な契約料で「超大金持ち」となった二人が、ここに来て新たなトラブルを引き起こしています。
ハリー王子が、英国滞在時に「費用を自己負担しても警備を受けられない」という英国政府の決定に、異議を申し立てたことが明らかになりました。
Prince Harry in legal fight to pay for UK police protection
(ハリー王子、英国での警備費負担をめぐって法廷闘争へ:英BBC放送)
in legal fight:法廷闘争
もはやロイヤルメンバーではないハリー王子夫妻は、英国を訪問しても警察による警備の対象にはなりません。ふだんは米国の民間警備会社を利用している夫妻ですが、英国ではパパラッチに執拗に追われるなど「身の危険」を感じることがあり、「必要な水準の警備」が必要だと求めています。
今回発表された声明では、「警察の保護による安全が保証されないため、王子とその家族は自宅に戻ることができない」と主張。さらに、ハリー王子がダイアナ妃記念像の除幕式のために2021年7月にイギリスに帰国した際、「警察の警護がなかったために身の危険にさらされた」ことや、「警備費用を支払うと申し出たが拒否された」ことなどが明らかになりました。
なぜ、これほどまでにハリー王子夫妻は「警察による警備」にこだわっているのでしょうか?
報道によると、民間の警備会社は活動範囲が限定されており、ロイヤルファミリーの居住地内や訪問地といった「内部」に足を踏み入れることができないそうです。さらに、「内部」を警備できる英国警察は、国民の税金でまかなわれています。そのため、公務を務めていないハリー王子たちは警備の対象にはならないのです。
そうすると、もし、民間警備会社の管轄エリア外で「トラブル」が起きた場合、他のロイヤルファミリーは警備に守られても、ハリー王子や家族は「放っておかれる」ということなのでしょうか?
2022年は、4月に故フィリップ殿下の一周忌や、6月にエリザベス女王在位70周年のお祝いなどが予定されていて、メーガン妃とハリー王子が二人の孫をつれて帰国するのではないかと話題になっていました。
「警備」の問題が解消されない限り、愛する家族と会えない......。今のところ、ハリー王子が求める「法的措置」の詳細は明らかになっていませんが、「お騒がせカップル」の動向がメディアを賑わせていることは確かです。
とんだ「とばっちり」! チャールズ皇太子の「仲直り」が炎上
今回のハリー王子警備問題で、とばっちりを食っているのが、父親のチャールズ皇太子です。以前は、息子のハリー王子夫妻と「冷戦状態」だとウワサされていましたが、最近はオンラインで頻繁にビデオ通話をするなど「雪解け」ムードだとか。
とくに、エリザベス女王にちなんで名付けられた夫妻の長女リリベットちゃんが誕生したこともあり、チャールズ皇太子の「孫に会いたい」気持ちが募っている、と報じられています。
そんななか、チャールズ皇太子が、渦中のハリー王子夫妻に対して、「英国に戻ってきた時は、自分たちのところに泊まってもいいよ」と発言したから、さあ大変!
皇太子と行動を共にすれば、皇太子に就く警備の保障も受けられるから安心......という「親心」から発した「和解策」が、国民感情を逆なでして炎上する、とんだ逆効果となってしまいました。
Meghan 'won't stay with Prince Charles despite his olive branch after public row
(大騒ぎの後、メーガン妃はチャールズ皇太子からの「和解」にも関わらず、一緒に過ごすことはないだろう:英紙サン)
olive branch:和解、仲直り
「olive branch」(オリーブの枝)は、オリーブが平和を象徴することから「和解」「仲直り」といった意味で使われます。せっかく「和解の手」を差し伸べたチャールズ皇太子でしたが、国民の反感を買っただけではなく、なんと、20年近く前の自身の「スキャンダル」まで暴かれてしまいました!
地元メディアによると、当時、現在のカミラ夫人と付き合っていたチャールズ皇太子が、自費で「愛人」だったカミラ夫人に警備をつけていたことが判明。「未来の英国王は、税金で愛人の警備費用を払っていた!」と、蒸し返されてしまったのです。ただでさえ、長男のウイリアム王子と比べて「人気がない」チャールズ皇太子ですが、とんだとばっちりとなってしまいました。
それでは、「今週のニュースな英語」は、「和解」を表す「olive branch」を使った表現をご紹介しましょう。
This was an olive branch to his enemy
(彼は、これで敵と仲直りした)
The offer was an olive branch
(その提案で和解した)
I extended to an olive branch to my wife
(妻と仲直りしたよ)
報道によると、ハリー王子夫妻は、トム・クルーズなどの有名人が住むエリアの豪邸で、超セレブ生活を謳歌しているとか。どんなに大金を積まれても、国民の税金でまかなっている警察を提供することはできない。そんな英政府の判断に、拝金主義を軽蔑する英国人のプライドを見た気がしました。