21年12月の売上高は好調
ABCマートは、2021年3~11月期連結決算は売上高が前年同期比12.6%増の1805億円、営業利益は33.5%増の198億円、最終利益は40.0%増の143億円だった。国内でスポーツサンダルの売り上げが前年同期比2.5割増となるなどして2ケタの増収増益と回復はしているが、緊急事態宣言などで客足が遠のいた時期があり、6月、8月、9月、11月と既存店売上高はマイナスだった。このため、やや遡るが10月13日に2022年2月期通期の売上高予想を下方修正しており、その流れで2021年末に安値をつけた。
しかし、2022年1月5日に発表した12月の既存店売上高は、前年同月比14.1%増と好調。月後半から北海道や東北などで降雪向け需要も高まった。
SMBC日興証券は「国内客売り上げはコロナ前水準を回復」「需要回復を受け値引きを抑制」と指摘した。この辺りから株価も反転基調を確かにしている。
ちなみに、ABCマートの海外売上高は全体の30%程度。特に韓国は全体の20%程度にのぼり、店舗数も全体の20%程度を占める。日本企業という印象が韓国人に浸透していないため、徴用工問題などに絡む不買運動を免れたとされているうえ、コロナ禍からの回復も進んでおり、2021年1~9月期の売上高は前年同期比14.6%伸びた。
(ジャーナリスト 済田経夫)