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高校家庭科で始まる「金融教育」を機に、大人も学ぼう!

「週刊エコノミスト」(2022年1月25日号)
「週刊エコノミスト」(2022年1月25日号)

   最後に、「週刊エコノミスト」(2022年1月25日号)の特集は、「投資 保険 相続まで お金の王道Q&A」。2022年4月から高校の家庭科で「金融教育」が本格スタートするのを機に、大人にも人生を考える好機にしたもらいたい、そんなねらいがあるようだ。

   22年度から高校家庭科では家計管理に加えて「資産形成」についても教えることになった。株式、債券、投資信託の基礎知識を学ぶ。民法改正で、成人年齢が18歳に引き下げられることもあり、お金への知識は欠かせない。同誌では、

「『投資』と『ギャンブル』の違いは?」「結局、老後にはいくら必要?」「保険の見直し方って?」

などが取り上げられている。その中で興味を引かれたのは、「4%リターンは可能なの?」という項目だ。

   これは、いまはやりのFIRE(ファイア)ブームが背景にありそう。ファイアとは、資産運用のリターン4%を継続的に成し遂げつつ、4%の資産取り崩しをすることで、生活費のすべてをカバーして早期リタイアを目指すことだ。

   フィナンシャルプランナーの横谷聡氏は、

「投資のリターンは、長期運用に加え、運用資金を国内外の株式や債券などにどのような割合で投資するかを決めるという『アセットアロケーション』(資産配分)から作る『ポートフォリオ』(金融商品の組み合わせ)で8~9割は決まる」

と同誌で書いている。

   ちなみに、具体的な「資産銘柄の組み合わせ」を意味するポートフォリオと混同しやすいが、似て非なるものながら相互に連携しているという。

   具体例として、現預金30%、国内株式15%、外国株式20%、国内債券15%、外国債券20%で組み合わせたモデルを紹介している。初期投資500万円を過去10年間の実績で運用すると、複利効果により740万円に成長している。長期運用することで、4%の利回りは実現可能になることを示している。

   冒頭のインタビューで、投資家の村上世彰氏は「お金は道具、決めるのは自分。それを伝えるのが金融教育」とし、まずは家計から始めるべきだ、と話している。

   資産形成を始めるのに遅すぎるということはない。シニアでもできることはある、と勇気をもらった。

(渡辺淳悦)

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