みずほFG社長人事、舞台裏は?...週刊ダイヤモンド「銀行内乱」 週刊東洋経済「企業価値の新常識」、週刊エコノミスト「お金の王道」を特集

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   「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」「週刊エコノミスト」、毎週月曜日発売のビジネス誌3誌の特集には、ビジネスパースンがフォローしたい記事が詰まっている。そのエッセンスをまとめた「ビジネス誌読み比べ」をお届けする。

   まず、「週刊ダイヤモンド」(2022年1月22日号)は、「銀行内乱」というタイトルの特集を組んでいる。「みずほ退場宣告」「激変!3メガ人事」という見出しも踊る。ちょうどこの日(17日)、みずほフィナンシャルグループは新たな経営体制と業務改善計画を発表したので、時宜を得た特集になった。

いま注目される「非財務情報」とは何か(「週刊東洋経済」の特集から)
いま注目される「非財務情報」とは何か(「週刊東洋経済」の特集から)

みずほFGの社長人事予想は当たったのか?

「週刊ダイヤモンド」(2022年1月22日号)
「週刊ダイヤモンド」(2022年1月22日号)

   2021年に大規模なシステム障害を繰り返し、経営トップの総退陣に追い込まれたみずほフィナンシャルグループ。ガバナンス不全の背景には、10年来取り組む行内改革の誤算がある、と指摘している。

   システム障害の原因は、システム部隊の縮小などが挙げられているが、これはすでに何度も耳にした。

   本特集では、上層部は最後までトップ解任を迷っていた、と舞台裏を明かしている。その背景にあったのが、営業店改革。同グループの坂井辰史社長が進めようとした「超合理化策」を詳しく解説している。

   みずほの21年3月期の業績によると、営業店のビジネスを所管するリテール・事業法人カンパニーの業務純益はカンパニー合計の5%強しかない。にもかかわらず、経費は半分弱も占めている。経費率は実に94.2%だ。

   そこで実行に踏み切ったのが、総資産10億円未満の法人に対する「エンゲージメントオフィス」の設置だった。東京都と大阪府の2カ所に設置されたこのオフィスは、リモート営業拠点であり、中小企業への対応を原則リモートに切り替えるものだった。「不便になった」という顧客の非難を退ける勝算はあるのだろうか、と指摘している。

   パート2では、3つのメガバンクの人事の動きを追っている。みずほについては、第一勧銀出身と富士銀行出身の2人の筆頭候補を挙げていた。しかし、坂井体制の後任社長に決まったのは、興銀出身の木原正裕氏だった。

   木原氏は一橋大学卒。89年興銀入行。みずほ証券常務執行役員などを経て、21年7月から同グループ執行役。この特集の表では有力候補の1人とされているが、本文では言及されていない。坂井氏と同じ興銀出身で、現在の路線継続派だと同誌は見ている。

   特集の担当者は胸をなでおろしているに違いない。下手をすると、まったくノーマークの人が後任社長になるところだったからだ。人事の予想は怖い。

   パート3では、山口フィナンシャルグループで昨年、トップが解任されたクーデター劇の背景(「山口銀行のクーデターはもはや恒例行事だ」という株主の声を紹介している)、SBIホールディングスの新生銀行に対する株式公開買い付けと、スルガ銀行の筆頭株主との「協議離婚」の行く末をリポートしている。

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