私たちは色眼鏡で物事を見ている
こちらは攻撃とは思っていないのに、攻撃をされたと捉える人がいます。何をもって攻撃していることになるのかは、人それぞれ違います。
「仕事のミスを指摘されたとして、ある人は『自分の成長のために、あえて言いにくいことを言ってくれてありがたい』と受け取ります。一方、ある人は『自分を攻撃してきている、自分は悪くないから認めない!』と反発します。どちらの受け取り方が正しいというわけではなく、どちらも正しいのです。少なくとも本人にとっては」(安藤さん)
「自己肯定感の低い人は、様々な物事を、自分に対する攻撃として捉える傾向があります。攻撃をされれば反撃するのは生物としては自然な反応なので、自己肯定感の低い人は攻撃的になるのです」(同)
怒ることそのものは、悪いことではありません。問題は不要な怒りを燃やし、それがクセになってしまうことです。怒りは多くの人がハマりやすく、しかも中毒性が高いのです。有名人の不倫で怒る人や自粛警察なんかは、これらの典型例だと安藤さんは言います。
本書は、日本人が怒りやすくなっている理由を解説し、どのようにして身を守ればいいのか、自分はどうすれば怒りに振り回されずに済むのかを解き明かしています。仕事始めにあたり、読んでおきたい一冊です。
(尾藤克之)