デヴィッド・ボウイは290億円! コロナ過で加速する音楽界の「もうかりビジネス」(井津川倫子)

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ストリーミング配信が加速した「アーティストの生き残り合戦」

   ストリーミング配信も、大物アーティストの権利売却を「巨大ビジネス化」した一因だとされています。コロナ過で音楽フェスやコンサートといった「リアルイベント」が軒並み中止となるなか、ストリーミング配信は勢いを増しています。

   ところが、世界中で再生されたストリーミングのうち、なんと3分の2が「2年前以上の曲」だそう。確かに、人々の行動パターンとして、認知度が低い「新曲」よりも、前から知っている「お気に入りの曲」を選ぶ方が「失敗」がないのでニーズがありそうです。

   ビジネス的には価値が定まっている「過去の曲」、つまり「殿堂アーティスト」に投資をした方が、新人を売り出したり、リアルイベントを開催したりするよりも安定した売上が見込める、という算段なのでしょう。

   世界的に低金利が続くなか、「殿堂アーティスト」の権利ビジネスは、数百億円の投資をすぐに回収できることから、専門家は「lucrative business」(大もうけのビジネス)だと解説しています。

   それでは、「今週のニュースな英語」は、この「lucrative」を使った表現を取り上げます。「もうかる」という意味の形容詞ですが、ビジネスの場面でよく使われますし、TOEIC頻出単語の一つでもあります。「うほうほ(もうかる)」といったイメージです。

   The merger proved to be very lucrative
(その合併は、結果としてとても儲かった)

   She advised me to look for more lucrative business
(彼女から、もっと儲かるビジネスを探すようにとアドバイスされた)

   It' a lucrative business!
(儲かるビジネスだ!)

   大物アーティストたちの権利ビジネスが「うほうほもうかる」なか、コロナ過でライブ活動ができない多くのアーティストたちは厳しい生活を強いられています。ストリーミング配信の大手・スポティファイには、毎日6万もの新曲が加わるとか。音楽業界の生き残りは、想像以上に厳しいものでした。

(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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