「身の周りの困っている人を見て、起業しよう」
また、シンクタンクのフォフィアバンク代表の藤沢久美さんの話は――。
《みなさん、もし百万円あったら何に使いますか? お金を何に使うか、私は経済的に貧しい国々に行くと、必ず人々に聞きます。ルワンダの泥の家に住んでいる子どもたちは、働いてお金を稼いで、日本のようなキレイで、衛生的な国を作りたい、と言っていました。
不思議ですね。電気、ガス、ガラス窓もない。でも、学校に行くと、インターネットがあるから、日本のことがわかるのです。彼らにとって、私たち日本人は未来からきた人たちなのだな、と思います。でも、日本に帰ると、高校生は「私、欲しいものはない。クルマあるし、学校あるし、大人になっても自分がやりたいことがわからない」と言います。
そんな時、1つ提案があります。自分がお金に何に使うか、観察すると自分が何を大切にしているかが見えてきます。......お金の使い方は2つ。「自分のため」か「誰かのため」か。(人助けになるお金の使い方としては)社会貢献をしている企業を調べて、株を買うこと。「応援したい」「地球の未来」に貢献したい、という気持ちで株を買ってあげれば、その会社がより儲けて、利益の一部を戻してもらえます。一緒に成長していけるのです。
自分も幸せになるし、社会も幸せになる。この両方かなえることを「投資」と言います。でも、どの会社が貢献しているか、自分で調べるのって面倒くさいですよね。それをプロが代行してくるのが投資信託です。》
《もっと、困っている人々を助けながら、あなた自身も幸せになる方法がありますよ。それは「起業」――会社をつくること。現在、高校生で起業している人はたくさんいるのです。簡単ですよ。自分の周りを見るのです。困っている人はいませんか。その人を助けながら、商品やサービスを売ってお金を稼ぐ方法を探すのです。「困りごと」でつながっている事業はとても多いのです。
私が始めた例で言うと、世界中で10億人がメタボ、肥満に苦しんでいます。一方で10億人が飢餓に苦しんでいます。そこで、先進国の社員食堂でヘルシーなメニューを始めました。ただし、普通より20円高くします。その20円が飢餓に苦しむ国の人々の1食分になるのです。間を取り持つ私たちも、わずかですが、手数料をいただき稼がせてもらいます。困っていることを、パズルのように組み合わせるわけですね。》
投資の基本は「自分助け」と「人助け」、みんなが幸せになることだということを、高校生たちと一緒に初心に帰って学び直してはいかがだろうか。
(福田和郎)