エムスリー株が連日の昨年来安値、米FRBの金融引き締めで「成長株」の代表格が標的に

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医療系DXへの評価高く反転に期待も

   ここでグロース株の代表格とされる、エムスリーという会社について確認しておこう。2000年にソネット・エムスリーとして設立。2010年にエムスリーに商号変更。現在、ソニーグループの出資比率は33.95%で、ソニーGにとっては関連会社にあたる。

   当初から製薬会社向けに、ネットを通じて会員医師に対する医薬情報提供を支援する「MR君」を提供しており、こうした事業「メディカルプラットフォーム」が現在も主力で、売上高の4割程度を占めている。他に治験支援事業、医療従事者の人材サービス事業、海外事業が柱となる。海外で売上高の2割程度をしっかり稼ぐところがグローバルなソニーG系らしい。

   デジタル・トランスフォーメーション(DX)の流れの強まりとともに収益が伸張しており、2021年9月中間連結決算(国際会計基準)は、売上高にあたる売上収益が前年同期比30.2%増の976億円、純利益は2.8倍の407億円を記録し、高成長が続いている。

   ただ、4~6月期に比べて7~9月期のMR君の受注が鈍化したことなどから、人員不足などのボトルネックが意識されて株価は下落が続いていた。そして、ここへきてグロース株の代表格として、さらに売り浴びせられたというわけだ。

   もっとも、エムスリーの成長力を評価する声は根強く、「来期以降に顕在化すると想定される人員拡大による収益貢献のタイミングを投資機会として注目したい」(国内証券大手)との指摘もある。

   製薬企業だけでなく、医療現場自体のDX支援にも本格的に乗り出す方針で、近い将来に株価が反転する可能性もありそうだ。

(ジャーナリスト 済田経夫)

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