親会社が外国企業になるとルーズに?
――最近は、日本の中小企業が総合商社を介さないで、直接海外に進出するケースが増えていますが、こうした支払いの商習慣の違いに気をつけないとひどい目にあいそうですね。
後藤さん「そのとおりです。海外に進出した中小企業で、取引先に支払いを催促しても降り込まれない。そのうちコロナ禍に巻き込まれ、相手と連絡がとれなくなり、資金繰りに困って破産したというケースが激増しています。各国の商慣習を十分に認識して、回収不能にならないよう、事前に取引先の国と企業の情報を入手しておくことが大切になっています。
また、日本国内の企業の中にも、支払いがルーズになるケースが増えています。『最近、取引先が外国企業の傘下に入ったのだが、いままでしっかり締め日を守っていたのに、急に支払われなくなった。再編で決済条件を変更したのだろうか?』という問合せが弊社にも増えています」
――困ったことですね。
後藤さん「真面目で堅実、約束をきちんと守る文化が、日本企業が世界に誇ることができる美徳です。国際的な信用を勝ち得て羽ばたくことが、成長につながるはずです。ぜひ、これまでどおり、しっかり支払いのルールを守っていただきたいと思います」
(福田和郎)