日本企業が「世界一」と誇れる「お金の支払い振りのよさ」に黄色信号? 真面目さと信用でもっと羽ばたいて!

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江戸の商人の時代から「超」真面目な日本人

   それにしても、なぜ日本だけが突出して支払い振りがいいのだろうか。

   J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部では、調査を担当した東京商工リサーチ情報部の後藤賢治課長に話を聞いた。

――日本企業だけが「超」がつくほど生真面目に支払い期日を守っているのは、なぜでしょうか?

後藤賢治さん「信用と信頼を大切にする国民性があり、1日でも支払いが遅れると、信用を失う文化があるのです。江戸時代から手形のルールを厳格に守る商習慣があります。時代劇のドラマでも、支払いが遅れると、取り立てに来られて店や倉庫の商品を根こそぎ奪われるシーンがありますよね。
明治以来、約束手形の文化が広がり、支払いが遅れて2回『不渡り』を出すと、金融機関から取引停止に追い込まれて、事実上、倒産してしまうようになりました。だから、何が何でも支払いの期日は守る文化が根付いているのです」
江戸の時代から「約束」を守るのが日本のビジネスだ
江戸の時代から「約束」を守るのが日本のビジネスだ

――しかし、世界を見渡すと、G7(主要7か国)のうち、カナダ(31%)、イタリア(35%)、フランス(40%)、イギリス(42%)などの先進国が支払い期日を守っていない傾向がありました。米国も55%です。その一方で、ロシア(73%)、台湾(72%)といった意外?な国がしっかり約束を守っています。この違いはどこからくるのでしょうか。

後藤さん「それぞれの国ごとに歴史、商習慣からくる理由があるのでしょうが、正直、わかりません。調査36か国に含まれませんが、『手形文化』が残る韓国も支払い率が非常に高いと思われます。むしろ、ほぼ100%支払いの約束を守る日本が、世界の中では特殊な存在だと思ったほうがいいです。
期日がくると、待っていれば相手が支払ってくれる日本の『当たり前』が世界では通用しません。ですので、取引先が大会社であっても『こちらから言わないと、払うつもりがないようだ』『支払ってもごく一部の金額だけ』『何度メールで督促しても返事がない』という話は山ほど聞きます」
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