コロナ禍でも絶好調だった米国株 2022年、最大の問題はインフレだ!【小田切尚登のマネーの寅年】〈後編〉

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2022年、米国の金利上昇リスクは小さい?

   ......ということで、2021年は米国の経済にとっては怖いくらい良い年であった。問題は2022年にどうなっていくか、ということだが、最大の問題はインフレである。

   2021年に米国の消費者物価指数は6.8%の上昇を記録した。これは1982年以来の高さである。小売りの売上げが記録的高さにあるし、住宅価格も家賃も、その一年で2割近く上昇した。また、大半の大企業で賃上げを行なった。まさに景気過熱といえる状況である。

   こうなると「通貨の番人」と呼ばれる中央銀行が引き締めに方向転換することが想定される。しかしFRB(米連邦準備制度理事会)は金利をゼロ%に据え置くといっているし、これからも追加で何兆ドルも借りるというコメントもしている。そのため、市場の見方としては「金利上昇リスクは小さい」というのが支配的である。株価や不動産価格は2021年一年間、非常に強かったのはそのためである。

   2021年の一年間、アメリカ経済は大変な活況を呈していた。投資の波に乗れた人は幸いである。さて2022年はどうなっていくか。みなさんとこれから考えていきたい。(小田切尚登)

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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