欧米と違い、自粛が避けられない国民性
こうした事態をエコノミストたちはどう見ているのか。
農林中金総合研究所主席研究員の南武志氏は、朝日新聞(1月7日付)の取材に、日本は感染者が増えると自粛の動きが出るとしたうえで、「高齢者が百貨店での買い物や旅行を控えることは感染防止にはいいが、経済は停滞する」と答えている。日本人の国民性からしたら、自粛や行動制限は避けられない、というわけだ。
「1月中にも全国ベースで緊急事態宣言が再発令される事態となってもおかしくない」と警戒を呼び掛けるのは、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏だ。「感染第6波で国内景気の持ち直しは早くも一服へ」(1月6日付)のコラムの中で、こう指摘する。
「国内での消費活動は、新規感染リスクの低下を映して昨年9月から持ち直しに転じ、全国ベースの緊急事態宣言の解除を受けて10月からは持ち直し傾向をさらに強めた。しかし、コロナ感染の『第6波』を受けて、年初からは再び個人消費は抑制傾向を強めるだろう。個人消費の順調な持ち直しは、短期間でいったん途切れることになる」
さらに、新型コロナウイルス問題は、当初に考えられたよりもかなり長期化するリスクが高まっている。経済への悪影響も長引くことになる。――こんな厳しい言葉も並んでいるのだ。