杉村太蔵さんオススメ! 日本の企業は競争活力を取り戻そう!!

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日本企業に戦略はなかった

   第2章「戦略とは何か」は、日本企業にとって耳が痛い指摘ばかりである。まず、「戦略」と「業務効果」は違うと宣言している。そして、「日本企業には戦略がない」と批判する。

「日本企業は1970年代および1980年代、TQM(総合的品質マネジメント)や継続的改善といった慣行を真っ先に取り入れ、業務効果の領域で世界的革命を起こした。その結果、日本製造業は長きにわたって、コストと品質の両方で優位性を享受してきた」

   しかし、それに安住してしまった。ソニーやキヤノンなど戦略的ポジションを築いた企業は例外で、ほとんどの日本企業は、互いに真似し、押し合いへし合いをしている、と指摘している。

   あらゆる種類の製品、サービスを提供し、あらゆる流通チャンネルに対応する、こうしたやり方は「戦略」的ではないのだ。

   「独自性の核」となるものを発見し、戦略を取り戻せ、と書いている。最も特徴的なもの、最も収益性が高いもの、最も高い満足度を提供しているものを見極めることで、見えてくるという。

   誰もが「IT」の重要性を叫ぶ今、ITで競争の性質が変わる、と書いている。業界構造が変化し、これまで存在しなかった新しいビジネスが生み出されているからだ。航空会社や金融サービス、運輸、マスメディアなどの業界での影響を指摘している。

   「インターネットは何を変えたのか」という問いを発している。インターネットそのものが競争優位になることはまずない、として、戦略の原則は変わらないと考えている。

   インターネットを使うことで市場は拡大するが、多くの場合、同時に収益性が低下する、と書いている。たとえば、自動車販売。地の利の重要性が低下したため、市場は地元から地域へ、全国へと広がっていく。その結果、あらゆるディーラーが潜在的なライバルとなり、価格競争が激しくなる。

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