西九州新幹線の前途多難......
今回のサービス削減を招いたのはコロナ禍だけではない。管内の人口が少ないうえに、少子高齢化も速いペースで進んでおり、乗客数の先細りは必至だ。
加えて、2022年秋には西九州新幹線(長崎ルート)が武雄温泉駅-長崎駅で暫定開業するが、佐賀県内の大半の区間は地元自治体の反対で着工のめどが付いておらず、新幹線網と切り離された状態が当面続く。そもそも需要がそれほど見込めない区間であり、福岡方面から向かうには途中で在来線に乗り換える必要があるため、開業効果さえおぼつかない。
こうしたなか、今回の窓口業務の縮小でも効果はわずかで、新たに「お荷物」の新幹線も抱えるようになり、自助努力には限界がある。地域交通機関であり、上場企業でもあるJR九州。今後も難しい経営を迫られ続けそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)