2025年には電気自動車「アップル・カー」が走る?
さて、「3兆ドル」の大台超えは、米国はもちろん、世界の上場企業で初となる。1社だけで東京証券取引所1部に上場する企業全体(2185社、2022年1月5日現在)の時価総額約734兆円(2021年12月末現在)の半分に迫り、トヨタ自動車の約10倍だ。
その背景には、主力のスマートフォンやワイヤレスイヤホンなどの販売が好調で、コロナ禍でも堅調な業績を保ってきたことが挙げられる。それにくわえ、電気自動車(EV)の分野にも参入し、2025年には「アップル・カー」が走るのではという観測が流れている。
また、「メタバース」と呼ばれるコンピュータネットワークの中に構築された3次元の仮想空間や、そのサービス関連の分野にも参入するのではと噂され、2023年初頭には新製品が発売されるという観測ともあいまって、成長期待が高まっているのだ。
アップルの株価は、昨年(2021年)1年間で約33%値上がりした。アップルの時価総額は2018年8月に米企業として初めて1兆ドルを突破。2年後の2020年8月には、2兆ドルの大台を超えた。3兆ドルには2兆ドル達成から約1年4か月で到達しており、驚異的な増加ペースだ。
一方、グーグルの持ち株会社アルファベットも、昨年1年間で株価が65%上昇した。そのほか、マイクロソフトも51%上昇するなど、巨大IT企業に投資資金が集中する状況が鮮明になっている。
現在、アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベット、テスラ、メタ(旧称:Facebook)のハイテク6社の時価総額合計は、米国株式市場の最優秀企業である「S&P500」構成銘柄全体の25%を超えているありさまだ。