「お騒がせ」トルコリラはどうなる?
トルコが、引き続き注目です。新たな預金制度を導入しましたが、長期運用は不可能。2023年の選挙(本来は2023年ですが、前倒しされる可能性が高いと思われます)の結果次第で大きく変わるでしょう。もし、エルドアン大統領が大統領職を失った場合、トルコ中央銀行が引き締め姿勢に転換し、トルコリラの上昇が期待されます。その一方、エルドアン大統領が続投となれば、トルコリラ円は1リラ=6円を割れるでしょう。
新興国通貨では、メキシコで中央銀行の新しい総裁の力量が試されますが、メキシコ中銀は伝統的にしっかりと対米金利差を広めにとるので、ほぼ安定するでしょう。ただ、新総裁が緩和姿勢を示したりすると、ペソは崩れます。
◆ 米中対立、どこかで激突? くすぶる地政学リスク
米中対立の激化に伴い、どこかで中国関連で大きな動きがあるとの観測が消えません。2月の北京冬季オリンピック・パラリンピックのあとに、ウクライナ周辺に進出しているロシア軍がウクライナ侵攻に動くのではないかともウワサされています。
ロシア軍のウクライナ侵攻は想定していませんが、多くの人はバイデン米大統領のロシア・プーチン大統領への対応が非常に手薄だと感じているでしょう。
中国が台湾への圧力を強めるという観測も消えません。中国が拙速な行動を取るとは思えませんが、米中関係、中台関係も、時間が経過すればするほど、中国に有利に働きます(中国経済の成長が、米国を上回るということ)。よって、巷間の観測に対して私はドラスティックなことはなにも起こらないと思っていますし、そうしたリスクをとることが中国の国益にものすごく寄与するとも思えません。
ただ、何が起こってもおかしくない状況ではあるので、引き続き注意深く注視していくべきでしょう。もし、中台関係が激化すれば、マーケットに及ぼす影響は甚大です。ドル安円高リスクが高まるでしょう。(志摩力男)