NO! は失敗する悪魔の呪文
ここで、「You、やっちゃいないよ」が知られているジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川さんのエピソードを紹介します。
伊藤さんは、
「元KAT-TUNの赤西さんは、オーディションに落ちたあと、つけていた名札を返し忘れたことに気づき、そこで片づけをしていた普通のおじさんに返したそうです。それがなんと、ジャニー喜多川社長で『Youも残っちゃいなよ』の一言で合格したという逸話があります。ジャニーさんは用務員のような出立ちで、『どういう子がどのように動いているのか』を観察しているそうです」
「V6の長野博さんは、ジュニア時代、ジャニーさんから「You、スケボーできる?」と訊かれて『できません』と答えたらしいのです。数分後にも、また同じ連絡があったのですが、長野さんはできないことを強調しました。が、彼は後悔することになります。『スケボーができる』と答えたメンバーが、当時、人気絶頂だったアイドルグループ・光GENJIのバックダンサー(スケートボーイズ/のちのSMAP)に選ばれたのです」
と書いています。
私が秘書をしている時、「NO!」の返事は許されませんでした。できていなくても「YES!」と答えることが求められました。その時に、100%できなくてもいいのです。必要とされる局面まで時間があるなら、その時までに60%に仕上げれば問題はありません。
「できます!」と言い切ることが、チャンスをつかむ意味でも非常に大切です。細心の注意を払ったとしても何が起こるかはわかりません。だったら、能動的に動いてチャンスをつかむほうが得策というものです。この考えは道しるべになると思います。
(尾藤克之)