・仕事は10倍頑張るより、10分の1に減らす
・「人脈」は5年で全部入れ替えていい
・黄金比は「浪費1、消費6、投資3」
・「副業でおこづかい稼ぎ」をやめる
・異業種にいきなり転職してはいけない
その選択が、あなたの収入を左右します。経営者/投資家が教える、最速でお金持ちになるヒントとはなにか?
「金持ち列車、貧乏列車 成功者だけが持つ『切符』を手に入れる方法」(末岡よしのり著)幻冬舎
パチプロは落伍者ではない
山田さんは、プロのパチプロです。とくに、スロットには年季がはいっていて、回っているドラムを寸分違わずビタ止めする技術は芸術の域に達しています。地元では「目押しのヤマ」と呼ばれています。
山田さんのルーティンは10年間変わっていません。前日までにお目当てのお店をチェックします。毎朝6時に起床して、開店1時間前にはお店に並びます。週末はプロ仲間との情報交換を忘れません。その効果もあり、最近は負けたことはありません。
「蛍の光」が流れる頃、山田さんはご満悦でした。
「今日も10万円買った。今月はすでに100万円以上勝っている。この調子でいけば、オレは大金持ちだ。1000万円貯まったら、箱根の会員権リゾートでも購入しよう」
夢が広がる山田さんなのでした。
パチンコから得られるものは、わずかながらも勝てるかもしれない期待感と勝った時の高揚感でしょう。しかし、データ上では仮に勝ったとしても次の軍資金に消えるというデータがあるくらい勝つことは簡単ではありません。所詮は、あぶく銭は泡のように消えてしまう可能性が高いのです。安定的、永続的に勝利するにはかなりの努力が必要です。
みなさまの周りには「パチンコのようなギャンブルはすべきではない」「パチンコは人生の時間のムダ」という認識をしている人もいると思います。しかし、著者である末岡よしのりさんの解釈は少々異なるのです。どういうことでしょうか?
「英語に『Right Person,Right Place.(ふさわしい人をふさわしい場所に)』という表現があります。では、あなたの才能を最も生かす活躍の場はどこかというと、それはあなたが今、熱中していることです。『一日中、パチンコをしている人』は一般的に人生の落伍者だと思われがちですが、 私は単純にそうだとは思いません」
「彼らはまず、今日はどこの店で玉がよく出るか、あらゆる手段を使って情報収集します。次に開店前の早朝から行列に並びます。パチンコ店がどんなに遠かろうが、雨の日も風の日も雪の日もまったく苦にせず並び閉店まで台と向き合います」
たしかに、朝10時から閉店する23時まで、パチンコ台に向き合うことは大変な重労働であることは間違いありません。その間、 ムダなことは一切やりません。
パチプロはPDCAの達人
末岡さんはこれを、驚くべき集中力だと解説します。さらに、パチプロは家に帰った後も、パチンコ雑誌や攻略サイトを夜中まで一生懸命読み、傾向と対策を怠りません。まるで受験生のように、毎日が予習・復習・実践によって成り立っています。
毎日、予習・復習・実践のPDCAが回っているなんてスゴイことです。パチンコにかけるストイックさをほかに生かすことができたら、どんなに素晴らしいでしょう。知力・体力・情報収集力・集中力・忍耐力は、ふつうのサラリーマンの比ではありません。
才能が開花する場所はそれぞれです。人生の願望を達成する役割を果たすのが「才能」ですが、それを生かすのも人それぞれです。いまは、コロナ禍で先が見えにくい世の中ですが、何かを一歩踏みだしたい人には役立つ一冊です。
(尾藤克之)