【お正月は本を読む】家康に学ぶ「財テク」スキルとは!? 忍耐力と判断力がすべてを凌駕する(尾藤克之)

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ビジネスにもつながる忍耐力と判断力

   さらに、大村さんはこう続けます。

「ざっくり言えば『敵が強いときには決して争わず平伏し続け、敵が弱ったときに一気に叩く』のである。敵が強いときにこれを倒そうとすると、多大な費用・労力がかかる。だから、家康は極力そういうことはしなかった。それが、ほかの名だたる戦国武将と大きく違うところである」

   なるほど......。家康の忍耐力と判断力は、幼少期からの過酷な体験が培ったものだと言われています。家康は、物心つかないときから母親と生き別れし、人質として他国に送られました。周辺勢力のパワーゲームに翻弄され、親戚に売られるということも経験しています。そういう過酷な少年時代の中で、人間観察、状況判断の能力を磨いてきたのでしょう。

   これはビジネスパーソンにとって大いに参考になる示唆です。現在、理不尽な処遇に怒りを覚えている人はいませんか。不遇をかこっている人もたくさんいるいるでしょう。しかし、誰にでもチャンスは巡ってきます。

   そのチャンスが来るまで、地道に自分を磨いておく、状況分析も欠かさずにおこなっておく。そして、チャンスが来たときに果敢に行動していくことが必要なのです。新年度を迎えるにあたり読んでおきたい一冊です。

(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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