「二代目がダメにし、三代目がつぶす」というけれど......
同族企業は「二代目がダメにし、三代目がつぶす」などと言われることがありますが、それは必ずしも後継者が無能だからではなく、成功に導いた創業者やカリスマ先代に対するコンプレックスにこそ、遠因であるように思うのです。
親が優秀であればあるほど、実績を残せば残すほど、引き継ぐ血縁後継者にはつらい部分も多いというのは、なんとも皮肉な話です。
親の地位や出来不出来によって、生まれた時から人生が決まってしまうのは理不尽だと、親から引き継ぐものがないから浮かばれないと嘆く若者たちが「親ガチャ」などという言葉で揶揄する昨今。じつは引き継ぐものが大きい者ほど、それを受け止める苦しみも多いのだということも併せて認識して欲しいと思います。
神田沙也加さんの悲報を耳にして、そんなことを思った次第です。(大関暁夫)