HIS「GoTo給付金」を不正受給、澤田社長の「むかつきます」に反省の色なし!?

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斉藤国交相「刑事告訴を視野に入れる」と非難

   会見では、かつてHIS社長を務めた平林氏が不正にかかわったことを問われた澤田氏が、「むかついていますね。何でそんなことするのかと。そういうことをされたのは非常に残念に思います」と感情をむき出しにしたあたりは、自身の責任への反省より被害者意識のほうが強い印象を与え、不評だった。

   事態はこれでひとまず沈静化するかに見えたが、監督官庁の国土交通省・観光庁はHISの対応に甘さを感じたようだ。調査委設置から2週間程度で結果をまとめるという時間的制約はあったが、ジェイハット側には調査しておらず、ジェイハットから「当社はヒアリングを一切受けておらず、当社の見解が全く反映されていない。非常に困惑しており不満を感じている」(24日の声明)と反論されるなど、調査は十分とはいえない面がある。

   業を煮やした国土交通省は、仕事納めの12月28日に斉藤鉄夫国交相が会見し、ジェイハットなどに対し「刑事告訴を視野に入れる」などと強い言葉で非難。観光庁はこの日、HISに厳重注意をし、改善策の策定と事実関係の調査継続を指示するとともに、HIS子会社2社とジェイハットをGo To事業再開時に参加させないと発表した。

   これを受ける形でHISは同日、延期していた決算発表の場で、当初は「考えていない」としていた処分について、澤田氏を基本月額報酬の75%を3か月間減額、2人の取締役は同50%減額とすると発表した。

   子会社が起こした不正を直視しない当初の姿勢の代償は小さくないということか。巨額の国費を投入する事業で起きた不正であり、再開するGoToにHIS本体が参加できるか予断を許さない――そんな声が業界では聞こえる。(ジャーナリスト 白井俊郎)

   

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