日本でしか見られない「親子上場」 世界的なコーポレートガバナンスで2021年は上場子会社が減少【馬医金満のマネー通信】

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   みなさん、こんにちは。馬医金満です。

   近年の「親子上場」の推移について、注目してみました。

   親子上場は、親会社と(支配株主を有する)子会社が、双方ともに株式市場に上場している状態を指します。これは世界では、ほとんど日本でしか見られない上場形式ですが、人材採用や資金調達に絡む経営戦略上のメリットがあるといわれています。

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  • 「親子上場」が減っている(写真は、東京証券取引所の株価ボード)
    「親子上場」が減っている(写真は、東京証券取引所の株価ボード)
  • 「親子上場」が減っている(写真は、東京証券取引所の株価ボード)

親子上場による利益相反がある

   「親子上場」の具体例では、三菱商事とローソン、GMOとGMOペイメントゲートウェイなどがよく知られているでしょうか。NTTとNTTドコモもその一つです。なかでもGMOの場合は子会社のほうが、時価総額が高いことでも知られています。

   ちなみに、親会社は、株式会社を子会社とする会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるもの(会社法第2条第4号)。子会社は、会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社が経営を支配している法人として法務省令で定めるもの(会社法第2条第3号)です。

   かつて、これらの仕組みを利用しようとした買収計画が、堀江貴文氏が率いたライブドアによるニッポン放送を巡る買収劇になります。

   そんな背景がある「親子上場」ですが、近年では減少傾向にあります。

   上場子会社は2021年に入って14社減って265社となっており、5年前に比べると2割ほど減っています。

   その理由としては、世界的にコーポレートガバナンスがテーマに挙がってきており、親子上場による利益相反が指摘されてきているためです。

   たとえば、親会社が企業グループとしての利益を最優先することで、子会社に不利益になるような経営となる場合でも、少数株主がその決定を覆すことが難しくなります。

   また、2022年4月に控える東京証券取引所の市場再編では、最上位の「プライム」は市場で自由に売買できる流通株式比率35%以上を基準としています。これは50%以上の株式が売買できない上場子会社についてはなかなか厳しい値であり、そういった観点からも上場子会社の解消を進める動きが出てきているようです。

   実際の手段としては、TOB(株志位の公開買い付け)による上場廃止、または持ち株比率を下げて連結子会社から外すという2種類の方法が大多数のようです。そのため、今後5年間ほどは上場子会社に注目して、株式を仕込んでおくのもアリかな......。そう思っています。

   では、また来年に! ステキな新年をお迎えください。(馬医金満)

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